アケガラスさんのレビュー一覧
投稿者:アケガラス
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匂いの帝王 天才科学者ルカ・トゥリンが挑む嗅覚の謎
2004/06/14 23:22
匂いの詩人
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楠見朋彦さんがホームページに発表されているエッセイで、本書にふれられているので、御紹介します。
「視覚の仕組みも、聴覚のメカニズムも、相当細かいところまで解明されているのに、こと嗅覚に至ってはまだまだ未知のことが多い。
ルカ・トゥリンは、おそろしく鼻のきく科学者だ。
においの分子がもつ形が、鼻にある受容体にあてはまることで、それが何のにおいであるか分かる、というのが従来幅をきかせてきた説らしいのだが、彼は、われわれの鼻が捉えるのは分子の形ではなく、分子の振動なのだという新説をとなえ、それを実証するための実験に日夜励んでいる。
(中略)
たとえば、青酸カリはアーモンドのにおいがする。ミステリーをかじったことがある者には周知のことだが、実はふたつの分子を比べると、かたちが同じではないらしい。これは、従来の嗅覚の形状説では説明がつかない。
トゥリンはかたちが違うのに、同じにおいがするものを、物色する。また、かたちが同じなのに、においが違うものも探し出す。さらに分子に手を加えて、こんな臭気になるだろうと見当をつけた臭いに変化させる。
においの予想が可能になる——これはすごいことだ。香水業界の人間も、黙ってはいない。我先にと彼とコンタクトをとりたがる。
(中略)
理論が完成すれば、ノーベル賞は間違いないらしい。
彼の音楽家の友人が感嘆したように、においが振動であるということは、音を捉えるのと同じこと、つまりにおいを聴き、音を嗅げるということ! 今後の報告に注目したい。」
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