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大阪の星さんのレビュー一覧

投稿者:大阪の星

3 件中 1 件~ 3 件を表示

リキッド・ドリームス

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金魚、金魚、金魚。困ったな。

初めてこの人の写真集を見た時は、そのうまさと色彩感覚にたまげた。その時蜷川実花は誰にもできないことを、とびっきりの勢いでものにしていたように思う。ファッションと現代美術と写真を屈託なく行き来する本人の在り方も、私にはとても新鮮であった。

この写真集は駄作だと思う。かつての色彩の形式だけが残り、中身はすっぽり抜けている。代わり映えのない写真が続くため、ページをめくる驚きや喜びもない。三年前なら没にしたんじゃないかと感じるような写真もたくさん収録されている。忙しいのだろうか、まるで器用なフォロワーが作ったような写真集だぞこれは。

まだ若い写真家であるし、或いはスランプなのかもしれない。
次回昨に期待したい。また、たまげさせて欲しい。

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紙の本mika

2004/09/03 03:10

表層が加速する

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毎年、何人もの写真家がデビューし或いは淘汰されていく中で、蜷川実花は確固たる地位を築いているように思う。SPUR,CUTIE,SCAWAIIなどファッション誌を中心に、様々な場所で活躍している。
数年前と比較すると、蜷川が現代美術よりも商業写真に掛ける比重が、随分増したように見える。彼女の場合、登場人物が著名人であることもそれに拍車をかけている。

では、この「MIKA」はどうなのかというと、蜷川の商業写真の集大成とも言うべき大きさと内容に仕上がっており、見応え十分の印象だ。
登場するのは今今東西の旬な女の子達で、その若さが存分に引き出されている。
この写真集に併せて開かれた展覧会を見たが、一つ驚いたことがある。蜷川は写真を撮る上で、衣装を含め背景まで作り込むことが多い。会場の一角にはそのセットが再現されていたのだが、それが驚く程チープなのだ。色紙の張り合わせや手作りの飾り等、すぐに作れるような物ばかりである。一方でそんなセットが、写真の中では鮮やかな色の響きへと変化している。これこそまさに、蜷川マジックなのかと感じた瞬間である。

蜷川の写真技法は極めて表層的だ。色調による曖昧な奥深さを排し、原色とその鮮やかな衝突で全部言ってしまう。セットやモデルを含めた被写体も、鮮やかさの中での写真うつりのみを求められる。悪い言葉を使えば、薄っぺらい写真だ。
ところが、彼女の写真はそれだけで終わらない。技法の“表層”にもう一つ“表層”を乗じているのだ。それが旬な女の子達だ。他のあらゆる仕事に就く誰よりも、外見という表層が磨かれたモデルやアイドルを鮮やかさの中に登場させることで、鋭利で加速度的な相乗効果を生み出している。

表層を表層で捉えるという方法は新しいものでは無いのかもしれないが、ここにあるこの表現は今の時代を感じさせるものだし、強い。
日常に無いくらい鮮やかで百花繚乱なビジュアルは、単純に見て楽しめるから、何も考えずにスッとしたい日なんかもお勧め。

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紙の本うたたね

2004/06/24 00:43

うたたね

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なんでこんな写真が撮れるのだろう。
別の言い方をすれば、「この写真家は、なんて素敵な眼差しを持っているんだ!」。

いきなり三部昨と銘打って発表された、川内倫子の写真集のvol.1がこの『うたたね』である。ローライという中判カメラで撮影された真四角の画面、こうしかなかったのだと思わせられるような切り取りの妙。どの写真も唾を飲み込めなくなるくらい、見ている私の動きを止める。そこにはまるで瞬間が永遠に閉じ込められているようだ。

人であり、他の生物であり、或いは物ですらあったりするのだが、そのどれもが持てるエネルギーがはちきれんばかりに見える。どんなものにも、こんな風に猛々しく私達をハッとさせる瞬間がある。ある日のミシンの上下する動き、ある日の光に照らされ浮き出る手の血管、ある日の洗濯槽。
それらに固有の名前は無いが、だからこそ多くの人の周囲にも流れる物語であろう。川内倫子はそんな瞬間を丁寧に切り取っている。
命がはみ出た瞬間とでも言うべき光景とそれを包む柔らかい視線。

私は、初めて本屋でこの本を見た時しばらく放心し、そのままレジへ持っていった。ここに写された高まりは、同時に終わりの始まりを意味しているようにも思う。飲み込まれた水は誰かのエネルギーとなり、扇風機の吹いた風はやがて大気に溶けてゆくだろう。
日々私達は、様々な場所でそんな場面に出くわしているはずだ。
そこに、こんな美しさを見つけてみせた写真家の眼差しに、本を開く度に私は固まってしまうのだ。

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