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乱蔵さんのレビュー一覧

投稿者:乱蔵

6 件中 1 件~ 6 件を表示

紙の本神々の山嶺 上

2005/02/14 22:41

そこにそれがあるから

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この本には、確かに「生きる」ということがある。

精神的・肉体的に限界に近かった先週、仕事に行くことができたのは、間違いなくこの本のおかげだ。
朝の電車の中で気持ちをささえてくれ、夜の電車の中で疲れきった体に精気を補充してくれた。

仕事の悩みから人生について思い悩み、この物語を読みたくなった。
そしてこの物語はまさに何かを私に注いでくれた。
何かを問うている時に人はこの物語を読むのかもしれない。

この物語を読む誰もが深町となり、そして羽生に自分を重ねる。
そして遥かなる頂に、自分の中の何かを視たはずだ。

ずっとこの物語を読んでいたい。まだ読み終りたくないよお。
きっと獏ちゃんもこの物語を描きながら、いつまでも描き続けたいと思ったはずだ。
20年近く獏ちゃんの物語を好きだ好きだと言い続けてきたけど、獏ちゃんの思いとここまでシンクロしたのって初めてかも。

さあ、次は下巻。下巻ではエベレストへの登山のシーンがねちねちと描かれていく。早く結末を読みたい気持ちと、まだ読み続けてたい思い。この思いは、今週中には終ってしまう。

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紙の本新・魔獣狩り 9 狂竜編

2004/12/06 23:08

クライマックスへ向かって

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

後3冊で終りということみたい。でも獏ちゃんの後3冊は後6冊ぐらいに考えた方がいいかも。

正直言ってラストは難しいよね。空海に決着をつけることになるわけだから、中途半端なことはできないし。「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」のあとがきで、唐に渡る前の空海の物語を書くと言ってるんで、これを書いてから「魔獣狩り」を終らせるんじゃないかと思ってるんだけど。

後3冊と言ってるだけあって、今回は物語がテンポ良く進んでいく。24 の影響か細かい場面転換で。

文成、鳳介、美空、毒島の4人が主人公なんだけど、4人は完全に狂言回しになっていて、この4人の周りで様々な魅力のある人間が出てきて物語を動かしている。
金山四郎も出てきた頃はあまり好きになれなかったけど、今回は魅力的に描かれている。
獏ちゃんの作品に出てくる人間は一見悪役であっても、完全な悪ではなくて魅力的に描かれることが多い。梵だって最初はすごく恐いキャラクターだったけど、今はすごく愛敬のある魅力的なキャラクターになっている。
逆に誰も正義のためにも動いてないんだけど。

今回「新・魔獣狩り」の最初から出ていた一つの勢力がほぼ壊滅してしまう、けれど、また新しい勢力が出てくる。どの勢力がどの勢力とくっつくのかも話が進むたびにころころ変わっていくのでラストがどうなるか予測がつかない。

獏ちゃんがあとがきで言ってるけど、クライマックスは鳳介のサイコダイブのようだ。黒御所(空海)と典子のどちらにダイブするんだろう。

さらにまた、物語の鍵を握る強力な個性を持った人間が一人登場するし、予測がつかない。

できれば悲しいラストにはなって欲しくないな。「荒野に獣 慟哭す」のような悲しいラストには。

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情動の奔流

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情動の奔流。
思い に流され、運命に流され、行きつくところは浄土たりえるのか。

人は哀しみをもって生きるもの。鬼を抱えて生きるもの。それでもなお夢と希望をもって生きるもの。

その終着地となった宴は、それらを涅槃に結びつける。

人を救うのではなく、その 思い を正しい流れに導いて。

宴の中で、思い が舞い、歌い、天に還っていく。

書き出した時には物語の結末は見えていなかったという。

だけど、物語はそう進むしかなかったかのように、あるがままに進んでいく。

白楽天の 思い が物語に結実していく。やはりこの物語は「長恨歌」の物語だった。

はるばるとした人の 思い がそこにはある。

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夢幻の如くなり

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最初は、空海を主人公とした物語かと思ってたけど、
本当は「長恨歌」を描きたくて書かれた物語なのではないか。

獏ちゃんが書き、玉三郎が舞った「楊貴妃」。
これはもちろん「長恨歌」をモチーフにしたものです。
「楊貴妃」の小説版が「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」なのかもしれない。

空海を描くためにそれにふさわしい物語。空海の個性、スケールのでかさに負けない物語。それが「長恨歌」だったのか。
それとも「長恨歌」を描くために空海が必要だったのか。

玄宗皇帝と楊貴妃の妖しくも美しい物語。
多くの人々を苦しめても、なお美しい物語。
多くの血が流されても、なお美しい物語。
権力をほしいままにし、欲望の限りをつくし、そしてそれが戦乱を招いても、なお美しい物語。
多くの無辜の民を苦しめても、なお美しい物語。
その結果唐という一つの国家を滅亡させても、なお美しく哀しい物語。

愛と憎しみと哀しみと滅びの物語。
それが「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」。

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空海がゆく

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獏ちゃんファンの間で半ば伝説と化していた(ほんまか)「沙門空海唐の国にて鬼と宴す」がついに書籍化。
しかも、全巻連続出版というではないか。

この作品を書くと言い出してから完結するまで長い時間がかかりました(なにしろ書き出すまでにも時間かかったし)。
その間に、安倍晴明の夢枕獏というイメージが出来上がってしまったけど、獏ちゃんと言えば、空海なのである。

獏ちゃんの作品の裏にはすべて空海の思想が流れているといっても過言じゃない。
すべての存在をただそのままで正しい、すべての存在をその欲望も悲しみもひっくるめて、すべてを肯しと肯定する。それは全作品に共通して流れている。

これまでは「魔獣狩り」の中で間接的に描かれていた「空海」をはじめて本格的に描いている。まさに期待通りの空海が描かれています。
ところで、「新魔獣狩り」ではついに現世に空海が甦ってしまったけど、その空海と読み比べて見るのもいいかも。

1巻は、空海をはじめとした人々の紹介といくつかの事件が起こっていくまさに序章というべきもので、わくわくするものとなってる。

これぞ本当の「歴史小説」。
史実だけを追ってるだけなんて、つまらない。小説なんだから史実以上のものを見せてくれなきゃ。

まさにこれは本当の「物語」なのだ。

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人は好きなように生きてよいのだよ

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今回は、空海と逸勢の問答が秀逸。

正直、1巻と2巻の二人のやりとりは、晴明と博雅のやりとりと似ていて、新鮮味に欠けてた。
3巻目でようやく二人の関係を描けるようになったということか。

ストーリー展開はいつもの獏ちゃん節で、面白く納得して読める。4巻の展開はあらかた読めるけど、それでも読みたくなるのが、獏ちゃんの獏ちゃんたるところ。
予想した展開を期待して読むのです。

で、3巻目まで読んで気づいたけどこの作品は、あまり話が広がりすぎないのが良い。
「キマイラ」みたいに手をつけられないぐらい話が広がるのもいいけど、やっぱり物語はその軸をぶらさないで進んでいくほうがいいかな。

今度は、半月待てばラストが読める。いいぞ。

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