ウォーニングさんのレビュー一覧
投稿者:ウォーニング
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ITに殺される子どもたち 蔓延するゲーム脳
2004/10/15 08:16
怖い話です
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この本に書かれていることではなくて、再びこんな本が出版されることが、です。
サンプルの詳細が一切示されていないなど、ハッキリ言って『ゲーム脳の恐怖』に対して行われた批判に何一つ応えていません。いや、それどころか、パソコン、アニメ、携帯電話など、著者が嫌いなものに対して攻撃対象を広めています。
この書を読んでいて一番すごいと思うのは、著者が「ゲーム脳」のレッテルを貼った相手から聞き取り調査をしていること。著者は、「ゲーム脳」の人間は、「落ち着きが無く、キレやすい。物事に対してやる気が起こらず、コミュニケーションが取れない。物覚えが悪く、わずか数分前のことですらすぐに忘れてしまう」と言っています。そんな人間を相手にどうやって聞き取り調査をしたのか教えてもらいたいものです(笑)
面白いのは、書内で述べているほかの学者の説の引用部分。例えば、有田秀穂氏の『セロトニン欠乏脳』を挙げているのですが、この書で有田氏は、「リズム運動をすると、覚醒した状態でα波が出るから体に良い」と言った結論を導き出しています。森氏の理屈によれば、「α波が出るのは、何であれ悪いこと」と結論付けているのですから丸っきり逆なのですがねぇ…。両者とも、まったく正反対の結論なのに互いに「不可分の関係」として肯定しあっているのが、彼らのスタンスを如実に表していると思います。
反対の意味で面白い本ではありますよ、はい。
テレビ・ビデオが子どもの心を破壊している!
2004/10/18 22:23
三段論法
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
テレビによって子供が「自閉症」になる、と訴えている書ですが、その理論自体が三段論法による理論飛躍としか言い様があります。
この書で書かれていることを要約すると、子供の発達には乳幼児期の親子(母子)の密接なコミュニケーションが必要。ところが、テレビあると、それを親がサボってしまいがちになる。そのため、コミュニケーション不足になって自閉症になる。即ち、テレビは自閉症の元、というもの。テレビだけを悪者にするのは、理論のすり替えとしか言いようがありません。
そもそも、この書の中で、著者本人が認めているように、「自閉症」は先天的なものであり、上記のような理由でなったものは「擬似自閉症」とでも呼ぶべきものです。それにも関わらず、この書内では全てを「自閉症」と呼ぶために、読んでいる側としては混乱を来す可能性を考慮する必要があります。また、「40年で自閉症の子供が25倍に増えた」という単純な数値の比較のみで恐怖を煽る宣伝文句もいかがなものでしょう(当たり前のことですが、医学の進歩などでこれまで見過ごされた「隠れ自閉症」が発見されるようになったりしたわけですから、数が増えるのは何ら不思議ではありません)。
テレビに子守りを任せた結果、自閉症になったという例を「事例を交えて説明」しているのですが、反対に言うと事例以外のものが一切ありません。個別データを1つだけ示して「典型例です」と言われても説得力はありません。
最後に、この著者の意見は完全なる異端であり、メディア等で扱われているからといって正しいとは限らないことを考えておく必要があると思います。「乳幼児と積極的にコミュニケーションを持つ必要がある」という意見そのものは決しておかしいとは思いませんが、理論のすり替えによるメディア批判や読者に混乱をもたらすような表記の方法など、決して褒められるような内容だとは思えません。
セロトニン欠乏脳 キレる脳・鬱の脳をきたえ直す
2004/10/14 23:33
おいおい…
5人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
これはかなり凄い本ですね。
「キレる脳・鬱の脳をきたえ直す」とありますが、「キレる」は定義からしてハッキリしていませんし、「鬱」の原因はハッキリとわかっていません(セロトニン神経というのも説の1つとしてあるようですが、間違い無くそうだとは言いきれません)。そんなハッキリしないことを原点として話が展開されます。
「規則正しい生活」「リズム運動」などでうつ病が治った、というような個別データがいくつか紹介されていますが、そもそも個別データに客観性がありませんし、その生活改善によって「セロトニン神経」が活性化したから改善した、と言いきることもできません。ところが、それを「セロトニン神経が良くなったから」と言いきってしまいます。
さらに、良いとする「リズム運動」として紹介されている「座禅」ですが、これに関する記述はもはや妄想レベルですね。「釈迦はセロトニン神経を活性化させるために座禅を編み出した」などと言う話もそうですし、「鼻や口・耳をふさぐ修行」「4〜5週間にわたる断食」「燃え盛る薪であぶる修行」などの伝説上の話まで持ち出すなど、唖然とする内容になっています。
「ゲーム脳」との関連で、「不可分な関係」と言っているのですが、この書では「リズム運動をすると覚醒した上でα波が出て良い」と言っています。「ゲーム脳の恐怖」で、「α波が優位は痴呆と同じ」として、何が何でもα波を悪玉にしているのですから、結論はまったく逆。それなのに、互いに賛同している、というのが、彼らのスタンスを良く表していると思います(森氏は『ITに殺される子どもたち〜蔓延するゲーム脳〜』でこの書を取り上げて、やはり肯定的に扱っています)。
真面目に考えている方にはあまりお勧めできませんね。
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