nagashirowさんのレビュー一覧
投稿者:nagashirow
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源にふれろ
2004/12/13 15:12
源にふれろ
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砂漠の小さな町に幼くして母親に見捨てられ叔父の家で暮らすエレンとアイク。やがて学校を出ると姉も町を出て行き、残された弟は身体が小さな自分には乗りこなせないバイクの修理を手伝いながら学校に通っていた。
2年が経ったある日、ハンティントンビーチからやって来たと言う若者が「エレンが3人のサーファーとメキシコに行ったがエレンだけが帰ってこない」と聞く。
エレンの消息を追って砂漠の町を捨ててハンティントンビーチにやってきたアイクは、海辺の街に渦巻く暴力と退廃の波に飲み込まれ流されていく自分に気が付くのだが…
本書はハヤカワ文庫版でこの7月に発売されたものだが、原書は'84年に発表された作品だというからブレット イーストン エリスの「レス ザン ゼロ」と同じ時代背景を持つといえよう。
砂漠の田舎から出て来た貧乏な若者と、ハリウッドの金持ちに生まれ育ったお坊ちゃまの違いはあっても、共に信じるに足る社会も未来も見出せずにセックス&ドラッグ&ロックンロール(サーフィン)に溺れる若者の悲しくも切ない青春を描き出している。
またこの作品ではサーフィンこそが今この瞬間の、あるいは過ぎ去りし日の青春の高揚感を象徴的に描き出していて、大きな波に挑み制覇する姿は読むものを圧倒し、波にもてあそばれ海の底に引きずり込まれる姿はどうにもならない社会の中でもがき苦しむ若者の姿そのものであるといえよう。
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