モトヲ。さんのレビュー一覧
投稿者:モトヲ。
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紙の本絡新婦の理 文庫版
2004/12/25 00:32
「絡新婦の理」を読んでみた。
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所謂京極堂シリーズの第5作目である。が、今までの書き筋と異なっている。
まずはエピローグが、冒頭に。犯人が解かった後の、犯人との遣り取りが冒頭に来ている。これが「あぁ、悲惨な物語ではなくて悲しい物語なのだ」と思わせる。今までに無い語り口である。
次に主人公について。この京極堂シリーズの主人公は「関口」だと私は思っていた。が、違ったようである。この「絡新婦の理」には「関口」は登場しない(というのはウソであり、エピローグで辛うじて登場するが、これは登場したうちには入らないと判断する)。
「ドラエも〜ん!」と助けを求めるのが「のび太=関口」であり、その助けに応じるのが「ドラエもん=京極堂」であり、のび太無くしてドラエもん物語は語れないと思っていたのだが、この「絡新婦の理」ではのび太無しでストーリーが完結してしまう。「あぁ、主人公はやっぱり京極さんなのだな」と思った瞬間である。
第1作は衝撃的。その惰性で読んだ第2〜4作から、飛躍的に毛色が変わった第5作でありました。
一番読むべきは第1作の「姑獲鳥の夏」。次点で「魍魎の匣」。次に読むべきは第5作(本作)の「絡新婦の理」であるが、その登場人物の背景を把握するためにも第3〜4作も読んでおくべきでしょう、という感じでしょうか。結局全部じゃん。
初稿はこちら
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