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ふくろねこさんのレビュー一覧

投稿者:ふくろねこ

2 件中 1 件~ 2 件を表示

シマの一族 第2部

2004/01/12 03:15

著者コメント

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1部、2部を通して12年あまりの時間が流れます。一族は三つの世代を経ることになりました。2部の最終章は、元祖シマの孫に当たるコンの死をもって閉じられています。血縁としての一族はここに途絶えるのです。
しかし、一族は血縁を超えた連繋あるいは関係性として存立しています。そこには連綿とした継承と補完、同一性の執拗な再構築への傾向が見られます。個々の死は償い難い悲劇に他ならないのですが、その傷痍を乗り越えて止むことのない、生命の不撓不屈で神秘な連続性に思いを致さざるを得ないのです。その具体的な内容は本文を読んでください。
ただ、歴史を貫通して不変なフォルムの下でも、その内実を成す事象は有為転変を続け、やがて見知らぬ地平へと拓かれていくものかもしれません。
次の3部では、一族の群はかつてない変化にさらされます。乞うご期待。

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シマの一族 第1部

2004/01/06 03:15

著者コメント

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

この物語は、北海道東部の苛酷な自然を背景に、我が家の猫一族の栄枯盛衰とその中で保たれ継承される運命的な構造を描いています。筆者は、猫たちの様々な生態を鳥瞰している一方、夢や予感という無意識の世界で猫たちと融合してもいるという、二面的な立場にあります。筆者は、猫たちの生死に接し続けているうちに変容していかざるを得ないのです。
したがって、物語は、筆者自身がそこに巻き込まれてもいる、「シマの一族」の存在構造を読み解こうとする終わりの見えない試みであると言えます。
いわゆる猫エッセイというものとは少し違うかも知れません。でも、どの分野に分類されるかは気にしていません。読み手は、どのようにでも物語を受け止めてよいと思っています。ただ、それなりに「面白い」と評価していただければ、筆者は満足します。ご一読をお願いします。

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