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投稿者:言叢社
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司法的同一性の誕生 市民社会における個体識別と登録
2003/05/15 19:06
内容紹介
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「指紋法」の発見による近大市民管理技術の成立、歴史と現状、限界を問う!
〈身体計測の人類学〉にはじまる同定・識別・登録技術の思想的系譜を〈歴史人類学〉の手法で精細に跡づけた画期的労作
* * *
「誰か」「何者か」という問いを一般化してアイデンティティーすなわち「同一性」への問いと呼べるとすれば、こうした「同一性」への問いとしての人類学はどのように形成されたのか。文化を根拠として同一性を問う以前に、まず生物としての人間の同一性を問う人類学が成立したのではないか。もしこの見通しがあたっているとすれば、「フィールドワーク」という方法の「発明」によって現代文化人類学が始まったという、一般に理解されているような人類学史のイメージは果して維持できるのだろうか。
西欧の市民社会においては、この「同一性」の観念は特殊な展開を示した。その西欧に特徴的な展開の、端緒からある頂点に達するまでをたどりなおし、明治期以降での日本への導入を跡付けることで、他にあまり例を見ない視点から「同一性」への問いとしての人類学の歴史に照明を当てることが本書の狙いであり、またあえていえば存在意義となっている。(本書「まえがき」より一部引用)
【主要目次】
まえがき
序章 西欧における同一性の系譜
第一部 人類学と行刑学のあいだ
第一章 ベルティヨンと司法的同一性の誕生(1)──不肖の息子
第二章 ベルティヨンと司法的同一性の誕生(2)──公僕の務め
第三章 ベルティヨンと司法的同一性の誕生(3)──地下室からの眺め
第二部 個体─市民社会の光学
第四章 近代システムへの〈インドからの道〉──あるいは「指紋」の発見
第五章 顔を照らす光・顔に差す影──写真と同一性
第六章 スフィンクスへの問い──コンプレックス以前のエディプス、エディプス以前のフロイト
第三部 群衆・兵士・原住民──市民社会の暗闇の斜面
第七章 帝国と人種──植民地支配のなかの人類学的知
第八章 人種あるいは差異としての身体
第九章 十九世紀フランスにおける市民=兵士の同一性の変容
第四部 日本への刻印
第一〇章 戸籍・鑑札・旅券──明治初期の同一性の制度化と川路利良の「内国旅券規則」案
第一一章 「個人識別法の新紀元」──日本における指紋法導入の文脈
第一二章 指紋と国家──管理と差別の交差する場所
終章 西欧的同一性は解体するか──技術とその限界
あとがき
註
初出一覧
参考文献
索引
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