冬樹蛉さんのレビュー一覧
投稿者:冬樹蛉
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永遠の森
2000/07/10 01:40
『知と愛』の喜びと哀しみを謳う、“美”と“人間”への讃歌
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ラグランジュ3に浮かぶ博物館惑星〈アフロディーテ〉には、絵画、工芸品、音楽などなど、人類が生み出した“美”の至宝が分野を問わず集まってくる。思念だけで“美”のデータベースを操る手術を受けたエリート“直接接続学芸員”である田代孝弘は、幾多の部門の中でも労多くして報いの少ない博物館惑星の“総務部”的役割の総合管轄部署〈アポロン〉で、厄介な仕事を引き受けてくる上司や現業部門間の調停作業に日夜振りまわされる損な男。今日も今日とて、ちょっぴりお人好しな彼のところに厄介な仕事が……。
菅浩江が五年以上にわたって「SFマガジン」に不定期に発表してきた人気連作短篇、待望の単行本化である。未発表の一篇を加え、改稿によって全体の統一感が雑誌掲載時に比してぐっと増した。科学の手をすりぬける“美”という対象をSFの主題とする異色の試みを、ときに謎解きミステリ、ときにラヴ・ストーリーとして、感動的に読ませる。『知と愛』の喜びと哀しみを謳う、“美”と“人間”への讃歌だ。
フューチャーマチック
2000/07/10 01:37
幻視者ギブスンが放つ未来絵図決定版
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『ヴァーチャル・ライト』『あいどる』に続いて三部作をなすべく、幻視者ギブスンが放つ未来絵図決定版。
膨大なデータの中から結節点を見い出す特殊能力者(電脳社会のシャーマンだ)レイニーは、企業に利用されることを嫌い東京の段ボール箱住居で隠遁生活をしていたが、巨大な結節点、歴史の大変革が迫っていることを確信し、LAに住む友人のライデルに調査を依頼した——。
前二作に登場した人物たちに加えて、道(タオ)を生きる謎の殺し屋や、電脳空間に異様になじむ唖者の少年など、愛すべき猥雑な者どもが世界の大変化へ向けてめまぐるしく絡み合い躍動し集結する。おなじみ、ヴァーチャル・アイドル投影麗(レイ・トーエイ)も大活躍。“現在から見た未来”ではなく“未来に於ける現在”を活写するギブスン節はますます洗練され、九十年代ギブスンの最高傑作に仕上がっている。ギブスンを読まずして、eビジネスとやらを語ってる場合じゃないってば!
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