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組踊の世界さんのレビュー一覧

投稿者:組踊の世界

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かつれん・しげお 詩人、琉球古典音楽野村流師範、国指定組踊伝承者、県指定野村流伝承者。沖縄タイムス芸術選賞文学奨励賞(1976年)、同賞三線大賞(2003年)。著書に「記憶の巡歴」「風の神話」「南島の魂」など。


経験生かして 本質を的確に

比嘉康春氏書評


 組踊についてこのように魅力的に書いた本があっただろうか。上演写真をふんだんに使い、見た目にも華やかな本書は三章から構成されている。

 第一章は「組踊以前」。組踊を生み出した要素としての先行芸能…琉歌、舞踊、歌三線についてそのエキスを語っている。特に古典の歌三線については沖縄の人たちの大切な心持ちとかかわらせながら独自の曲想論を展開している。そしてそれが組踊の大切な要素になっていることを見事に論じ切っている。

 第二章は「作品鑑賞」。組踊における古典音楽の様式性と使用されている曲の効果についてそれぞれの作品のなかで詳しく触れられており、曲想を魂の比喩(ひゆ)として読み取る感覚はさすがである。『銘刈子』の中の「遊び子持節」を、「その音色のどこかに悲しいものが宿っている」と言い、その悲しみの出処(でどころ)を「強いて言えば、幼児のころを振り返った時に見えてくる心なのかも知れない」と表現しているところなど、ただ驚くばかりである。

 言われてみればハッとさせられる表現が随所にある。詩人の繊細さと永年古典音楽をやってきた勝連氏の魂と無縁ではないだろう。ここにいちいちその例を挙げられないのが残念だが、ある個所の所作、唱え方、歌い方を通してそれぞれの作品の大切な要素を指摘しているところなど、鑑賞する側ばかりでなく、実演家にとっても大いに参考になる。組踊の地謡を数多く経験した感覚と鑑賞者の素直な心を持つ著者ならではのものであろう。

 第三章は「組踊雑感」。ここで耳を傾けたいのは「組踊のことを思うと、心がときめくのはイメージ上のことである。現実の舞台は、イメージに描くようにはなっていない。」という言葉である。「組踊は面白い」という帯文の言葉が意味を持つ。
 それにしても、組踊の本質を的確に表現し尽くしながらも、じつに楽しい読み物になっているところが本書の最大の魅力である。

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