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山形浩生さんのレビュー一覧

投稿者:山形浩生

1 件中 1 件~ 1 件を表示

環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態

2003/06/02 18:06

訳者コメント

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『環境危機をあおってはいけない——地球環境のホントの実態』刊行によせて

 環境問題に関心を持っている人は多い。みんな環境が急速に悪化しているから、自分も少しはなんとかしなきゃ、と憂慮している。
 でも、環境が急速に悪化しているというのは本当だろうか? なぜみんなそう思っているんだろう。さらに環境問題となると、かなり変な議論も横行する。野菜からちょっと基準値を超える農薬が出ると、みんな大騒ぎ。環境ホルモンで人類の危機、とか。地球温暖化であちこち水没だの、東京がカイロみたいな灼熱都市になるとか、森林がほとんどなくなりかけているとか。いろんな環境団体は、真顔でそう主張し、いまの消費偏重の経済文明のままでは、地球は滅びるぞ、と脅す。
 ちょっと待った。それってホント? そう問いかけたのがこの本だ。いろんな環境団体の言うことは、感情的で眉唾な誇張や歪曲がかなり含まれていて信用ならないぞ。実際のデータを見てやると、いろんな部分で地球の環境問題って改善されてるじゃないか。そして悪いものだって、いますぐ地球が滅びるようなものじゃない。さらに一部の問題は、ヘタにあわてて動くとかえって有害だ、と本書は指摘する。まだ問題は残っている。でも人類はこれまでいろんな問題を解決してきたし、いまの努力を続ければ残りの問題も解決できる。文明を根底から覆すなんて無謀なことを考えず、いまの自分たちの問題解決能力を信じて取り組んでいけばいいんだよ、と。
 人口爆発、食料危機、貧困増大、資源枯渇、公害、森林や生物死滅、地球温暖化等々、地球環境に関わるありとあらゆる問題について、実際のデータをもとに検証を重ねた本書は、欧米では学界でもメディアでも大論争を引き起こした。環境をめぐる理論、データ、その解釈方法を詳細にレビューし、地球環境の本当の現状と未来を詳細かつわかりやすく描きつつ、恫喝型の環境保護を否定して希望ある未来展望をもたらす、冷静で明るい環境問題の百科全書。

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