木下 勇作さんのレビュー一覧
投稿者:木下 勇作
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紙の本交野探訪
2004/03/29 03:15
著者コメント
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『万世の 春のはじめと うたふなり こは敷島の やまと人かも』(大田垣蓮月尼)。「女良寛」だと私は思ったのです。
尼が幕末、交野の地に数年間、仮寓し、しばしば招かれた平井家で読んだ歌と伝えられています。
(自然は移ろう。1年という単位(刻)でとらえるのではなく、かぎりなく、かぎりなく、とうとう続き、繰り返す自然の営み、摂理・・・。そのひとこまとしてまた春が巡ってきた・・・。私は歌うのだ。その営みの始まりを祝して・・・。こう思うのも自然の息吹に絶えることなく接している日の本の民なればこそ、そしてまた交野の緑に接しておらばこそ・・・)
私は交野の地を散策しながら感じ取った思いも込めて尼の歌をこのように訳しました。
尼の歌をもう一句紹介します。
『宿かさぬ人のつらさをなさけにておぼろ月夜の花の下ぶし』
尼の仏道の確かさを証明する秀作です。
今、この歌のように『交野の里』にも春が巡って参りました。
この本を手に春の交野を満喫していただければ著者望外の喜びです。
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