福田隆浩さんのレビュー一覧
投稿者:福田隆浩
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この素晴らしき世界に生まれて
2004/07/08 03:15
著者コメント
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音声と手話という二つの世界の狭間に居ることを強いられている子どもたちは,心の中に齟齬を感じながら日々を送っているように感じます。この物語の主人公である里美という女の子もその一人です。
自分探しというものは子ども時代に誰もが経験する永遠のテーマ。しかし,聴覚障害のある子どもたちにとっては,それはまた別の色彩を帯びたものとなります。
この作品では,謎めいた車椅子の老女,そして薔薇の香りが漂う古い1冊の本との不思議な出会いを通して,主人公の少女が自分の居場所をさがしあてるまでのひと夏の出来事を描いています。
今まで見落とされがちだった子どもたちの現実,そして心の揺れを知ってもらいたいということも確かにあります。しかし,それ以上に,自分は自分のままで生きて行っていいんだ。そこには希望が確かにあり、未来は光を放ちながら待っていてくれる。そんな、メッセージを物語に込めることができたらと思いました。
原題は「私のお気に入りの場所」。結局、この題は変えざるを得なかったのですが、今でも私の中では、このタイトルが大きな存在を占めていることは確かです。
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