朝倉書店Tさんのレビュー一覧
投稿者:朝倉書店T
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海をさぐる 1 海の構造
2004/07/14 03:15
出版社からのオススメ
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本書は月の裏側ほども知られていない海の姿を,科学的かつわかりやすく紹介しています.多様な地形を生み出してきた地球誕生以来の地殻変動や火山活動についてまとめ,波・潮や海流についてのメカニズムを解説しています.また,海の働きとの深い関わりをもつ天候などの現象についてもふれています.5大洋の地理と詳細な海底地図を付しています.以下は,監訳をされた木村龍治先生(前東大海洋研究所教授)の「あとがき」より抜粋したものです.
「長年,海とつきあっていると,ある程度,相手の様子がわかってくるものですが,第一印象は,非常につきあいにくい相手である,ということです.その理由は,一般に,海の営みのペースがあまりに遅く,私たちの感覚に合わないからだと思います.そのために,感覚的に海を捉えることが非常に難しいのです.
(中略)
海洋は,大きさの点で,広さの点で,暗黒の点で,水圧の点で,人間の侵入を拒む世界です.非常に人づきあいが悪いのです.しかし,一方では,「母なる海」という言葉があるように,地球生物にとって海洋の存在は不可欠です.私たちは,真水を飲まずに生きることはできません.陸地に真水があるのは,雨や雪が陸地に真水をもたらすからです.その水の元をたどると,地球表面の7割を占める海面からの水蒸気の蒸発です.海面が全部砂漠だったら,陸地への水の供給は絶たれ,地球上のすべての生物は死に絶えるでしょう.
実際は,海洋の存在によって,その内部から生物が発生し進化しました.それだけでなく,陸地に真水を送り込んで,陸上生物を養っているのです.水産資源も海の贈り物です.そのようなことを考えると,つきあいにくい相手ではありますが,私たちの生を支えてくれている海について知ることは大きな意味があるような気がします.本書によって「母なる海」の偉大さを実感してください.」
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