小林泰三さんのレビュー一覧
投稿者:小林泰三
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紙の本ネフィリム 超吸血幻想譚
2004/08/31 11:17
著者コメント
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「9.11以降、ヒーローを描くのが難しくなった」——こんな意見を最近よく耳にする。
現代では、加害者と被害者の立場が固定的ではなく、曖昧で流動的になり、善悪が簡単に入れ替わってしまい、信念をもって行動する正義を描けないということらしい。
一面、もっともらしい意見ではあるが、このような考えには疑問を覚えてしまう。確かに、絶対的な正義などというのは、幻想なのかもしれないが、人間は一歩でもその幻想へ向かって進むべきではないだろうか?
僕の考えるヒーローとは、激しい正義への渇望を持つと共に、常に自らの進むべき正義について悩み苦しむ存在である。
数年前に上梓した『ΑΩ 超空想科学譚』では、ヒーローらしからぬヒーローを登場させたが、『ネフィリム 超吸血幻想譚』では、敢えて正面から直球勝負でのヒーロー像を描くことに無謀にも挑戦している。
真のヒーローたらしめるものとはいったい何か、読者一人一人にご判断いただきたい。
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