著者 櫛田 佳代さんのレビュー一覧
投稿者:著者 櫛田 佳代
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紙の本ビッグイシューと陽気なホームレスの復活戦 The big issue Japan
2004/12/28 11:47
ビッグイシューと陽気なホームレスの復活戦
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ホームレスなのに、大笑い?
ホームレスなのに、真剣に話し合い?
ホームレスなのに、通る人を励ます?
そんなホームレスがいることを、あなたは信じることができますか?
ビッグイシューというストリートペーパーを売る販売員がいます。彼らは全員ホームレスで、「生きなおす」チャンスとして、ビッグイシューの販売という仕事を選びました。彼らは「雨が続いたら雑誌が売れん、首吊らんといかんかな」と冗談を言い、仲間同士で大笑いをし、そして売上げ向上のために真剣に話し合いをします。今までホームレスと結びつかなかった「一生懸命」という言葉を思い起こさせます。また、私たちが当たり前だと思っていることの重要さを改めて実感させてくれるのです。
もちろん、『ホームレス』という言葉を聞くと、
「逃げ出したんだろう?」
「上司に怒鳴られることもなく気楽にやってるんだろう?」
「なれるものなら俺だってなりたいよ」
という思いをほんの少しでも持つ人が多いのではないでしょうか?私自身も、正直「自分が原因を作ったんだから」と思わなかったわけではありません。
リストラ、金、逃避、喧嘩、酒、ギャンブル、大切な人の死、孤独…。原因はそれぞれ、さまざまあって、どう考えても本人に原因があることもあれば、誰もが犯しそうなほんの不注意であることもあり、外的な要因であることもあれば、それらが相互作用していることもあります。
でも、どんな原因で路上に出たとしても、ホームレスと呼ばれる彼らには生きなおすチャンスがほとんどありません。今、彼らはビッグイシューを売る仕事を知り、仲間と一緒に敗者復活戦に挑んでいます。そんな彼らの熱意を感じ、販売場所を通る人は励まされています。
私はホームレスなんて別世界だと思っていました。普通に生活していれば関わることもないし、関わりたいとも思っていませんでした。ただ街で見かけた販売員が、ホームレスとはあまりにギャップのあるカッコいい雑誌を売り、とても前向きに明るく、人生を生きなおそうとしているのを見て、ホームレスのイメージを180度変えられました。そしてみなさんにそんな彼らを知ってもらいたくなりました。そして生きることに必死な彼らと一緒に笑って欲しいと思っています。
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