ekoさんのレビュー一覧
投稿者:eko
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ハッカー
2004/02/16 18:33
パパが銀行のお金を盗んで疑いで逮捕された!
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パパが銀行のお金を盗んで疑いで逮捕された!ヴィッキーと義弟のギブは事件の謎を解くため、銀行のコンピューターに侵入する。そこには意外な結末がまっていた。
「ハッカー」この意味を子どもたちは知っているのでしょうか? コンピューター犯罪を扱った児童書を最近よくみかけますが、ほとんどは海外文学です。海外のコンピューター教育が盛んな背景がうかがえます。
でも、そのタイトルの意味をわかる子でも、わからない子でも充分楽しめる内容ですからご安心を。物語の軸はコンピューターなのですが、実は「家族愛」について考えさせられる面も持っているのです。
主人公のヴィッキーは、弟のギブが大嫌い。だってギブは本当の弟ではありません。ギブのお父さんとお母さんが、ヴィッキーを赤んぼうの時に養子にしたのです。そのあとでギブが生まれました。だからギブのほうも、ヴィッキーには何かと悪態をついてきます。
ある日の数学のテストでヴィッキーは自分の電卓をプログラミングして、数学のテストを信じられない速さで終わらせてしまいました。それが先生の目にとまって、思わぬ事件の犯人にされてしまいます。それだけでも充分落ち込んでいるっていう時に、家に着くと、パパが逮捕されたと聞かされます。息もつかせぬミステリーの始まりです。
仲の悪いヴィッキーとギブが反発しあいながらも、お互いの得意分野を活かし、助け合いながら事件に挑んでいきます。
最初のギブとヴィッキーのけんかは、読んでいるほうにも、ヴィッキーが傷ついたということがよく伝わってくるほど、ギブはひどいことを言います。でも悪口を言ってしまったギブの気持ち、その言葉に傷つくヴィッキー、それぞれの深い気持ちを読み取ることが出来たとき、本当の家族というのが見えてくるのかもしれません。
物語の軸であるコンピューターのハッキングやプログラミングについても、ヴィッキーはそのことについては天才的だけれども、弟のギブは全くダメ。だからヴィッキーがギブに説明していることが、そのまま読者に対しての説明になるので、難しい仕組みも理解しながら読み進めることができます。
著者のマロリー・ブラックマンは、「黒人の子どもが心寄せる文学を書きたい」ということを前作『うそつき』のあとがきに書いていました。しかし彼女は、今回も特に黒人を特別に描いているわけではなく、さらりと自然に主人公は黒人であるというだけです。そのあくまで自然体な姿勢が幅広い読者を集めている理由のひとつなのかもしれません。
★★★★
(eko/図書館の学校・児童書選書委員会)
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