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まっすぐさんのレビュー一覧

投稿者:まっすぐ

3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本図南の翼

2005/09/14 06:01

気持ちよく生きる。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

(あらすじ)何不自由なく豪商の娘として育った十二歳の少女、珠晶。王朝が倒れ、妖魔が街にはびこり、人の心はすさんでいく。自分たちだけが、こんなにも贅沢な暮らしをしていいものか、珠晶は罪悪感に悩んでいた。頑丈な門を作り、自らの安全を確保した上で、世の中を嘆く父親や周りの大人たちに「ばっかみたい」と腹立たしさを覚える反面、そのように不満をこぼすだけで何もしようとしない自分自身に気づく。そして、珠晶は自ら王となるため昇山の旅に出る。その旅の途中で出会う旅人利広。ひょんなことから、珠晶の護衛となる頑丘。三人の旅は、人をよせつけない土地、黄海へと入っていく。安息を許さない厳しい旅の中で、少女珠晶は、「己の生存がゆえの他者の犠牲は自然の摂理だ」という頑丘に反発したり、何かといっては子供扱いをする周りの大人に不快感を覚える。それは、郷里の父親や大人たちに感じた不満と同種のものだった。そして、珠晶は利広と頑丘から離れ別の大人たちと旅を続ける。そこで、痛感したのは、自分の甘さ・幼さ。悔しいまでの頑丘たちの言い分への理解だった。そして、己の非力さを実感した珠晶の言動は、その非力さ故に今までの教科書どおりの言葉に、真実味が帯びてくる。再び、この三人が出会うとき、物語は佳境を迎える。
(感想)主人公の少女珠晶は、すごく優しくて、賢くて、行動力がある。でも、一番すごいと思うところは、「気持ちよく生きたい」という気概が誰よりも強いことだと思う。人は、自分のためにしか生きられない。「いやいや、私は、家族のために日々たゆまぬ努力をいたしております。」なんて、言う人がいるかもしれない。でも、その言い分だって結局のところ、突き詰めれば「家族を不幸な目に合わせたくない」という、自分がいて、家族を不幸にしてしまう自分を見たくないから、というものだ。この物語の珠晶の場合は、おもっいきり贅沢をしてみたくても、そこに、苦しんでいる人の表情が浮かんでくるのである。そういう、居心地の悪さ、そういうものを感じずに気持ちよく生活をしていきたい。だから、最低限自分のやるべきことを果たそうと昇山を決意する。決して王様になろうとしたわけではないのだ。
「自分のため」という、言葉は世間一般では、あまり評判のいい言葉ではないかもしれない。他者を省みない、自分勝手な印象を与えるからだろう。でも、そこからしか何も始まらないと思う。ひとり、ひとりが「気持ちよく生きたい」と思うことが、本当は一番大切なことだと思う。その思いだけが、人の心を動かすのだと思う。

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紙の本エイジ

2005/09/07 05:44

言葉の便利さ、不自由さ。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

中学・高校時代。それは、小学校のときに比べて極端に口数の少なくなったときである。原因は一つでないのかもしれないが、この物語を読んで、「わかる」と「わからない」の境界線があやふやであったためかもしれないなと思った。言葉だけでは表現できない苦しみ・悩み。言葉にできないから、余計に苦しみ、悩む。そして、口はものをいわなくなる。でも、必死に頭では考えている。言葉にすることで、問題を明確化したいのだ。でも、それは悩んでいるようで、実は問題をはぐらかす、その場しのぎの行動なのかもしれない。これ以上傷つきたくないから、言葉で以って自分に壁をつくっているのかもれしない。「こういう訳だから、苦しいんだね。でも、明日も頑張ろうよ。自分。」それは、一つの生き方だ。でも、それが、生き方のすべてではないと思う。「どうして、そんなに頑張れるんだ。」、「どうして、そんなに我慢できるんだ」という問いに、「うまくは、表現できないけれど、好きだから頑張れる。好きだからどんなことでも我慢できる。」そんな、生き方だってある。人は、言葉を使うことで便利に生活することができるようになったのかもれない。でも、それと同時に、言葉によって作られた線路の上しか、走れなくなっているような気がする。言葉の呪縛から解放される合言葉「好き」。重松清さんの人生のテーマを垣間見た物語でした。
「『好き』も、言葉でしょ・・・?」
それは、また別のお話。
こうも、言葉の呪縛は手ごわいものなのです。

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紙の本あかね空

2005/09/04 02:01

もう一歩の理解と我慢

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

人が、多くの人の中で互いに支えあい、認め合い生きていくのは大変難しい。そう思うと同時に、「もう少しだけ進んでみよう。」、「その角を曲がってみよう。」そんな、お気楽だけど、前向きな姿勢は崩さない、こういう心がけが、目の前を明るくするのかもしれないと、感じる物語でした。

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