水辺小屋住人さんのレビュー一覧
投稿者:水辺小屋住人
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2006/05/20 09:36
贅肉をそぎ落としたタッチ現代の職場が抱える問題を解決しようとする人たちにとって、大きなヒントをくれる本だ
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過労問題を扱った書物である。しかし題には従来のようなメンタルヘルスという用語がない。上司、部下といった名詞が用いられている。内容も過労問題、それをもたらす上司を中心とした要素、過労の末に起こる悲惨かつ深刻な事態について書かれている。
本来なら健康・医療に属するはずだが、ビジネス書という扱いになっている。それがかえって新鮮であり、内容や方向性とも矛盾しない。
冗長になってはならない、と著者が語っているのを実践するように、主張は明瞭かつコンパクトだ。贅肉をそぎ落としたタッチと平易な表現から、すいすいとページがめくれる。
目玉商品ともいえる部分はいくつかあるが、読後の感想としてわたしが主張したいのは、「やりたいことしか、したがらない若者たち」だ。
やりたくない(自分の仕事とは思えない)仕事を放ってしまう若手社員の話が実際に出てくる。どの世代に多いかは別として、若者たちと呼んで構わない年齢層に、こうした傾向が強いのは否めない。
わたしの職場にもまったく同様の傾向を持ったケースが続出しつつある。こんな仕事をするために入社したのではない、と言って辞めていったり、全権限と責任を与えてくれれば、二倍の売り上げにしてみせる、などと本気で言ってくる。
現場で働く既存社員や職員たちは、おそらく例外なく、この実情を感じているだろう。どうするかは、わたしたち自身の手で結論を出すしかない。
可能であれば、社員教育の場で著者を招聘し、意見交換なり示唆をいただいたりできれば、と考えている。
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