ウルフさんのレビュー一覧

ManagedDirectXの解説が少ない

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日本で唯一Managed DirectXを扱ってくれた本。
と言いたいところだが、ほとんどの解説はManaged DirectXではなく、.NET Frameworkを使ったゲームプログラミングの解説本になっている（タイトルからしたら合っているが）。
この本の嬉しいところを二つあげよう。
一つ。VisualC#2005ExpressEditionが付いていて、すぐにでも実践できるところだ。
不親切な本とは違うところはなんとインストールの手順から書いてくれているところだ。まず間違いなくインストールできる。
もっとも、既に開発環境を持っている人にとっては、助長と感じるだろうが・・・。
二つ目はなんといってもManaged DirectXを扱っていてくれているところだ。
内容が少ないとはいえ、Managed DirectXを扱った書籍はまだまだ少ない。この本はManaged DirectXの発展に大きな貢献をしている本と言えるだろう。
だが、内容は浅い。この本のタイトル『C#ゲームプログラミング』とあるが、こんなに浅い内容ではゲームプログラミングはできない。Managed DirectXを使うのなら、DirectSound等の音楽関係も扱って欲しいところだ。グラフィックの解説中心に行われているため、グラフィックだけならゲームプログラミングの実践にも耐えられるだろう。
全くの初心者には分かりづらい箇所がある。それはDirectX、Direct3D、Direct3DXはバージョンの選択だ。
なぜか一言も触れられていないのだが、これでつまずく初心者の方も多いのではないだろうか。
バージョンの選択を誤ると、うまくコンパイルできない。これに気をつけてプログラミングして欲しい。せっかくの良書がコンパイルできないと言われて読まれないのは非常に残念だ。
著者がおっしゃるように、この本では C# 言語の解説は行っていない。
すなわち概念的な解説が多いと言うことだ。コードの解説が皆無というわけではないが、少ない。コードの解説がより多く欲しい人は注意して買う必要がある。逆に、概念的な解説が欲しい人にとっては良書の一言だ。
私の持っている本が初版だからかもしれないが、誤った解説、コードがしばしばある。少し注意して読むか、実際に動かせばすぐに気がつく誤りばかりだが、初心者は気づかないか、気づいても直し方が分からないかもしれない。
身近にプログラミングについて聞ける知り合いがいる人なら良いかもしれないが、そんな人がいない人もいる。やはり誤りの直った第二版（出ているのだろうか？）が欲しいところである。
少々話がそれたが、全体的に良書である。だが一部の人にはもう少し突っ込んだ解説が欲しいかもしれない。そんな本である。この本を通じてゲームプログラミングの面白さをより多くの人に感じて欲しい。