マサルさんさんのレビュー一覧
投稿者:マサルさん
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紙の本刑事コロンボ完全捜査記録
2006/08/16 23:35
新しいコロンボ読本
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
刑事コロンボの解説書は、過去にも出ている(元本は絶版)ので、それと比較した点を。
プラス点は、までのいわゆる旧シリーズ(「殺人処方箋」から「策謀の結末」45作)だけでなく、新シリーズについても言及しているところ。
また、吹き替えについて各声優データまでも充実しているのも特徴(確かにコロンボは字幕で見たら違和感がある。あの「うちのカミさんがねぇ」というボヤキ口調あってのコロンボだなあと実感)。
と、日本版情報に詳しいのが諸刃の剣で、マイナス点は、各俳優のエピソード、証言に関する情報がやや乏しいところ。また肖像権の問題か、ほとんどがイラストで紹介されているところ。
とはいえ、特に新シリーズの情報・考察が充実しているため(コロンボが良くも悪くも変わってしまった点についても述べている)やや高めだけど持っておいて損はないかと。
旧シリーズのDVDを見るときのお供に、そして(最近金曜ロードショーでの取り扱いが少なくなってきた)新シリーズの放映を待ちわびる間に読んでおきたい一冊。
2007/03/18 16:22
「相棒」ファン必見の一冊
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この3月にシーズン5が終わってしまった名ドラマ「相棒」の魅力を余すところなくまとめてある公式ガイドブック。
各話ストーリー概略もありますが、それよりもキャストへのインタビューが魅力的。主役の二人だけでなく、おなじみの脇役のかたにまでちゃんとスポットライトが当たっています。
シーズン5の情報が無いのと(発行時期から考えると当然なのですが)、読んでるとシーズン6が恋しくなるという点であえて★4つ。
紙の本奇術師の密室
2006/08/15 17:13
どんでん返しの雨あられ
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
奇術を舞台としたミステリというと、奇術愛好家たちの間で巻き起こった殺人事件を描いた泡坂妻夫の11枚のとらんぷなどがあるのですが、本作の特徴はどんでん返しの雨あられといったところ。
主人公は元天才マジシャン。ただし脳卒中のため、今は四肢が動かず話すこともできない(ため、彼の目を通して見聞きした内容が描かれている)。マジシャンを継いだ息子以外は、息子の嫁も、その弟も、マネージャーも、彼をオブジェのようにないものとして行動する次第。
そんな中、息子の嫁&弟がなにやら怪しげな計画を立てており、さらに嫁&マネージャーも何か目論んでいる。息子に危機を伝えたくても何もすることができず、ただただ見るだけとなってしまう彼なのだが……。
語り口が面白く、登場人物や舞台も制限されているため、物語にはすんなりと入っていける。主人公が何もすることのできない、もどかしさがあるのだが、その分、息子のマジシャンが魅せてくれる。
実は手品道具だった、実は知っていたなど序の口で、実はタネがあった、実は生きていたなどがどんでん返しが満載(これだけ書いても、実はさらにまだまだあるのだ。若干くどい感は否めませんが……)。キツネとタヌキの化かしあいと言いますが、誰が一番上手なのかは最後の最後まで全くわからない状態。
ただ、ミステリとして読むと伏線があまりあるわけではないので、サスペンス(あるいはドタバタもの)として捉えたほうがいいのかもしれません。また、植物状態の主人公が何らかの活躍を見せてくれるか(アイリッシュの短編にはそういう話があったり)という期待もあったのですが、そういう見せ場がなく残念。
どんでん返しの多い2時間ドラマが好きな人にはお薦めかもしれない一冊。
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