四葉のクローバーさんのレビュー一覧
投稿者:四葉のクローバー
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女を幸せにしない「男女共同参画社会」
2006/08/19 17:17
生活実感から鋭い女性の目で矛盾あふれる今の日本の少子高齢問題や格差問題にメスをいれたわかりやすい本。
10人中、10人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
この本のタイトルと目次にひかれて、購入し、一気に読みました。論旨は明快で、とてもわかりやすい本でした。私は大学卒業後、総合職で大企業に入社し、結婚後も仕事を続けていましたが、第一子出産後、体調を崩したこともあり、育児休業後、仕事に復帰したものの、家庭と仕事の両立がとてもしんどく、会社をやめました。夫も協力してくれていたのですが、妊娠、出産、育児というのはそれ自体大きな仕事で、中途半端なことがきらいな私は育児に専念する決意をしたのです。そして二人こどもをもうけ、それはそれでとても楽しい生活をしてきました。ただ疑問に思っていたことは、子供を産み育てている女性に対する独身女性の意地悪な眼差し、自己中心的なシングルの若者たち、また政財界や学者やマスコミの考え方が、少子化でいいんだ、子供が減ってなにが悪いんだというようなことばかりで、なんか変!と思っていたのです。児童手当も少ないし、少子化対策なんてなにもしていないに等しいのに、配偶者特別控除を廃止して税金ばかりサラリーマン世帯からむしりとろうとする。どーなっているのこの国はと思っていたら、この本に遭遇し、疑問の理由がよくわかりました。育児も介護もしたことのない独身の学者たち、特にフェミニズムの女性学者の功罪のうち罪の部分を指摘した第1章は説得力がありました。著者が育児も介護も経験し、生活実感から育児の社会化、介護の社会化だけでは解決できるような簡単なものではないこと、国は介護を民間に委託し、在宅介護をめざし、病院や施設で死ぬ人を2割から4割に増やそうとしていることなど、結局、家族に介護をゆだねようとしていること、しかし、家族を個別化させ、シングルを優遇する税制にし、女性にも男並みに働けと少子化のつけを女に背負わせる。国の介護制度の矛盾を実にわかりやすく体験的にまとめている第3章は年金問題や高齢化問題を考えるうえで参考になると思います。ブックガイドも本当におもしろかった。格差や下流や負け犬やニート等々がとびかうここ数年のいやな感じの意味がわかりました。主婦をバカにしている独身女性や育児、介護経験のないぼうふらみたいなシングル主義の男どもがこの本の悪口をきっというのでしょうね。私は山下悦子さんの大ファンになりました。
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