きさらぎさんのレビュー一覧
投稿者:きさらぎ
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紙の本新釈諸国百物語
2006/09/03 18:25
真の闇が生きていた時代の物語
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当初、おどろおどろしいものばかりかと思っていたが、滑稽味のある話もあれば、仏教説話的な話もあり、夏の夜の読み物として大いに楽しむことができた。ろくろ首の由来がわかる「二十三話」、怪談牡丹灯籠のもとになった物語の翻案である「六十五話」など、おなじみの怪談の原型を見るのは興味深い(それにしても、ろくろ首の原型が離魂病、いわゆるドッペルゲンガーだったとは思いも寄らなかった)。また、自分の故郷の話を探し出して昔をしのぶのも一興だ。前書きや欄外の注に詳しい解説が書かれているので、それを道案内にしながら読み進んでいけば、真の闇が生きていた時代の息吹を感じられるだろう。
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