辻公方さんのレビュー一覧
投稿者:辻公方
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分裂病の実践知と治療
2007/04/05 13:59
統合失調症の入院治療のために
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
著者は分裂病の本質を、そのときそのときで思いや感情が一貫性なく変化していってしまう、「その場性」にみる。このことは二重帳簿や連合弛緩として表現されてきたところだが、それを、患者の体験の時間構造の独特のありかたとして解き明かそうとする。
後半は統合失調症の治療論と社会評論。
著者は、統合失調症治療の眼目を陽性症状ではなく無為・自閉などの陰性症状にみて、早期リハビリテーションの意義を論じている。ここはなかなか読みごたえがある。
また、精神科患者への偏見は、「変な人」「普通でない人」と感じることにあるのではなく、そうした患者にどうした態度で向き合うかということにかかっているという偏見論は、ユニークで興味深い。
名称が変わった今も、価値を失わない一冊。
統合失調症の精神病理や治療、とくに入院治療に関心のある人に勧めたい一冊だ。
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