ヒイロさんのレビュー一覧
投稿者:ヒイロ
| 8 件中 1 件~ 8 件を表示 |
九つの殺人メルヘン 連作推理小説
2001/12/29 19:05
メルヘンとミステリが結びついた!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
渋谷にある日本酒バー「森へ抜ける道」。工藤、山内、マスターの“厄年トリオ”が語る難事件を、メルヘンを専攻する女子大生・桜川東子が鮮やかに解決してしまう。“厄年トリオ”のテンポ良い会話が楽しい連作短篇集。
この作品、実はこれだけでは終わりません。九つの事件が登場するのですが、その全てがアリバイトリックで成り立っているのです。そしてそのアリバイトリックがすごい!
ミステリ作家・有栖川有栖さんは、著書「マジックミラー」の中でアリバイ講義をしています。それは推理小説におけるアリバイトリックを九つのパターンに分類したもの。
なんと鯨統一郎さんはこの九つのパターン全てを各短編で披露しているんです! (ちなみに、裏表紙の推薦コメントはもちろん有栖川有栖さんです)さらにさらに、それだけでは終わらず、各短編が有名メルヘンと結びついたストーリーとなっています。そしてそのメルヘンに対しても、鯨統一郎さん独自の新解釈が。贅沢な1冊です。
生ける屍の死
2001/12/29 19:18
こんなミステリはじめて!
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
今、アメリカ中で不可解な「死者の蘇り事件」が頻発していた。この怪現象の中、ニューイングランドの片田舎トゥームズヴィルの「スマイル霊園」で殺人者の魔の手が伸びようとしていた。主人公のパンク少年グリンは、自らも死に、そして蘇ってしまう。殺されても蘇る被害者、果たしてこの不可解極まる状況で、グリンは真相をつかむことができるのだろうか?
読む前は、重厚長大な作品のイメージがありましたが、読んでみると意外にもお手軽に読めてしまった感じがします。途中、若干疲れてしまった部分があったのは否めませんが。
内容は、文句なしに面白かったです。 「死者が蘇る世界」という特殊設定が詳細に作り込まれており、全く違和感を感じさせないのがすごいです。果たしてどんな結末になるんだろう? とドキドキしてましたが、最終的には仰天することができ、満足です。年に何作か、このような作品と出会えるのが理想ですね。
幻獣遁走曲 猫丸先輩のアルバイト探偵ノート
2001/12/29 19:20
猫丸ワールドへようこそ!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「良い猫コンテストスタッフ」、「新薬実験モニター」、「幻の珍獣アカマダラタガマモドキ捕獲人員」、 「怪人ビートルデビル」、「松茸狩り道案内人」。これら5つのアルバイトをこなすのは、ご存知、猫丸先輩であります。 そしていつものように、不可思議な事件が。猫丸先輩の華麗な(?)活躍を描く、シリーズ短篇集。
一番のお気に入りは「寝ていてください」。 それにしても、う〜ん…。なんでこんなに面白いんでしょう? 身近にいたら、ただの変人としか思われないような猫丸先輩の魅力って、一体何? あの独特のペースでしょうか。
猫が“超”嫌いな私の唯一の例外が、猫丸先輩なのであります。
なみだ研究所へようこそ!
2001/12/29 19:17
なみだもあるけど、笑いもある?
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
メンタルクリニック「なみだ研究所」。新米臨床心理士・松本清は、見習として着任した。そこで出会った、見た目は十代の少女、野暮ったいセンス、おどおどした態度の女性。彼女こそ、伝説的な実績を数多く持つ、セラピスト・波田煌子であった! 次々にクライエントを診療していく波田煌子の活躍を描く、ユーモアたっぷりの連作短篇集。
かなり強引な展開も多々見られましたが、波田煌子にかかってしまえば、許せちゃいます。キャラクターとして魅力的ですし、なんせ個性が十分に確立されてますからね。
私が一番好きなのは、「憑依する男の涙」のオチ。う〜ん、気づかなかった…。でも面白い! 最近心から楽しめる小説を読んでないな〜という方、是非お薦めです。
鬼のすべて
2001/12/29 19:14
日本に鬼が蘇る?
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「鬼」に見立てられ、残酷な死体となって発見された二人の女性。 友人を失った刑事みさとは、元敏腕刑事ハルアキと共に事件を追う。 「日本から鬼を消す」という言葉を残して警視庁を去ったハルアキは、 果たして民間伝承における「鬼」の正体にたどり着くことができるのか? そして事件は現代に蘇った「鬼」によるものなのか?
非常にテキパキとした展開で物語は進行していきます。 風景描写や状況説明も少ないことで、とても良い効果が出ていたと思います。 いい感じの緊張感というか。
それにしても、鯨さんのアイデアには脱帽です! 他の作品にもれず、ただのミステリ小説に終わっていません。 「鬼の正体を探る」小説なんて、いままであったでしょうか?
「鬼」の解釈ですが、ハルアキの説にも思わずうなってしまいましたが、 私は、伊大知の説が最も感動しました。
ただ、気になる点も少々。 どうして警察は例の過去の出来事に気づかなかったのでしょう? 普通に捜査してたら浮かび上がってきますよね? そして、第2のメッセージにもやや納得のいかない点が。伊大知の説だったら納得できたけど…。
とはいえ、「鬼」といえば“節分”か“桃太郎”くらしか思いつかなかった私に、 これほどまでの感動とさらなる興味心を与えてくれた鯨統一郎さんを、 これからも読み続けることに決めました。
火車
2001/12/29 19:12
宮部小説の真骨頂
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
「関根彰子、彼女を探して欲しい」 休職中の刑事・本間俊介は、親戚であり彼女の婚約者でもある栗原和也にそう頼まれた。 聞き込みを始めた本間は、徐々に失踪の理由を明らかにしていく。 そして浮かび上がる、クレジットカードの弊害、そして自己破産。果たして、彼女は何者なのか? そして本間は事実を突き止められるのか?
非常に読み応えのある話でした。 途中で全く飽きさせない展開はさすがですね。 ただ、カード地獄とかは『ナニワ金融道』とかテレビで結構知ってしまっているので、 社会の裏側を知る衝撃度はなかったです。
宮部みゆきさんって、人間の描き方がすごく上手い人だなって改めて思いました。 本間俊介の気持ちに徐々に共感していく自分に気づいたときに感じました。 あの終わり方は、かなり好きです。
人形は眠れない
2001/12/29 19:11
人形探偵の秘密?!
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ご存知、人形探偵・鞠小路鞠夫。今回の事件は連続放火。市内で連続する放火は、果たして同一犯によるものなのか? そして、妹尾睦月と朝永さんの恋の行方はどうなる? 人形探偵シリーズ第3弾。
あとがきで、我孫子武丸さんご自身がおっしゃっていますが、本書は「短編の面白さを兼ね備えた長編」です。なるほど。確かにそのような感じを受けました。メインとなる放火事件が物語の中心ではありますが、その他のエピソードや、物語がうまく取り入れられています。ミステリあり、恋愛あり、とっても楽しく安心して読めるのでおすすめです。
インストール
2001/12/29 19:08
イマドキな小説
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ある悩みを抱えた女子高生・朝子は、登校拒否をすることに。 そして大人びた小学生・かずよしと出会い、 彼の薦めで、ネットでの風俗チャットのバイトをはじめる。非日常な世界で、朝子は何を感じ、そして何を得るのか?
綿矢りささんは、なんと17歳の現役高校3年生です。 史上最年少での受賞、まずはそれに驚きました。ストーリー的には、さくさくっとお手ごろに読めてしまう感じです。誰もが学生時代に感じるであろう、心のもやもやが上手く伝わってきました。特にダイナミックな展開はなく、さりげない文章力で読ませるタイプの小説ではないでしょうか。なんとなく山田詠美さんを想像させるような文章でした。これから期待できそうですね。
| 8 件中 1 件~ 8 件を表示 |
