サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. Taka−14さんのレビュー一覧

Taka−14さんのレビュー一覧

投稿者:Taka−14

3 件中 1 件~ 3 件を表示

コンサルタントの中核能力とは何か?

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

 ここ数年、問題解決に関する本、ロジカルシンキングの本が書店でも目立つようになってきた。そんななか、私の購入した数冊のなかで現在のところもっとも活用頻度が高いのが本書である。この分野では齋藤嘉則や「御大」大前研一らマッキンゼーOBが幅を利かせている印象が強い。実はこの本の筆者、後正武氏もその一人である。かつてマッキンゼーで体系化されたコンサルティングの技術が、こういったかたちで世に伝えられ広まっていくのは歓迎すべきことだと思うと同時に、基盤のしっかりとした確かな技術こそがキチンと広まって欲しいと強く思うわけである。

 私は常々、経営コンサルティングというサービスにおける付加価値の中枢は「リサーチ」、つまり事実を丹念に収集し、分析して真の問題点を明らかにするという一連のプロセスにあると考えている。齋藤嘉則氏が『問題発見プロフェッショナル』で「筋の良い解決策は的確な問題設定から」ということ述べるために本を一冊書いてしまったが、私はこの考え方に全面的に賛同する。もう一歩踏み込んで言ってしまうと、問題発見の技術や、そのための分析の技術を身に付けていないコンサルタントに高いフィーを支払う必要などないのだ。後氏も本書の終章でコンサルタント能力の要素について自身の見解を示している。クライアント企業の担当者はこれを読んでコンサルの付加価値とは一体何なのか、再度考えてみるべきである。

 話を本書の内容に戻す。筆者は「分析の技術」を9つに分けて紹介している。
1章「大きさ」を考える、
2章「分けて」考える、
3章「比較して」考える、
4章「変化/時系列」を考える、5章「バラツキ」を考える
6章「過程/プロセス」を考える
7章「ツリー」で考える
8章「不確定/あやふやなもの」を考える
9章「人の行動/ソフトの要素」を考える

 冒頭に「活用頻度が高い」と書いた。基本は「何らかの意思決定に備えてリサーチをはじめるとき、この9つのうちどのアプローチが使えるのかを考えてみる」という使い方である。おそらく上記9つの章が並んでいる順番には大きな意味があって、本書の言葉でいうと「大きさの程度(オーダー・オブ・マグニチュード)」を捉えるということが、まずもって決定的に大事なのだ。
 試しに自分の身のまわりの仕事のなかで行われている習慣化した分析が、この9つのなかの一体どれに当たるのかを考えてみるとよい。分析の対象は妥当なのか(エネルギーを費やすに値するマグニチュードがあるのか)、重要な視点が抜けていないか、やり方が目的に合っているか、といったことをチェックすることができる。と同時に、そのシチュエーションに合うと思われるツールやフレームワークの使い方を本書で確認できる。これらをシチュエーションに応じて使い分けるこができるようになれば分析の効率は格段に上がってくるはずである。
 本書が使いやすいのはこの構成によるところが大きい。違う言い方をすると、個々の章で紹介されている技術は他の本でもカバーされているものも多いというのも事実。

 私がビジネス書を読んで「良い/悪い」を判断する基準は、おそらく下記の3点なのだろうと思う。
1.自らの思考の成果、経験から得た知恵を惜しみなく盛り込んでいる。
2.取り扱っているテーマ、問題に対するこだわりが感じられる。
3.体系的、論理的にわかりやすく書かれている。
本書はこれらすべてを高次元で満たしている。

 蛇足かもしれないが、本書も日本人著者による書下ろしである。したがって日本企業に勤める人にとって、違和感なく受け入れられる内容がより多いはずだ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本組織デザイン

2004/08/06 01:24

ありそうで無かった組織デザインの「使える」教科書

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

近年、戦略策定やマーケティングの分野では「使える」教科書がかなり出てきているように思う。
しかしながら組織に関する問題を解決しなければならないとき、組織デザインのセオリーが解説された頼りになる教科書が、今まではありそうで無かった。
波頭亮『組織設計概論』(産能大学出版部)などはその種の目的で書かれた数少ない本だが、おそらく国内では、今後しばらく本書が組織デザインの決定版的教科書になるであろう。

あらためて本書の帯を見直し、「経営改革の基本テキスト」と書いてあることに気づいた。そう、「基本」なのだ。
著者の沼上氏は組織デザインの論理、基本、原理原則に徹底的にこだわっている。
「原理原則を知らない事情通は、思わぬトラップ(罠)にはまり込み、抜け出すことができなくなる可能性がある」(P23−24)といきなり序章で警告を発する。

本書では組織デザインにおいてポイントとなる鍵概念を「分業」と「調整」とし、紙幅のほとんどは「分業」と「調整」についての解説に費やされている。また経営書としてはめずらしく、本書には企業の実例がほとんど登場しない。登場するのは単純化された「仮設例」である。にもかかわらず本書の記述はきわめて現実的で生々しい。

そう感じる理由を考えてみると、
ひとつは、ここで解説されている「論理、基本、原理原則」が膨大な先行研究に基づて抽出されたセオリーであり、時空を越えて共通する本質的な問題を扱っているためである。したがってその問題を高純度で抽出するために設定された仮設例は、時に実例以上に生々しいものとなる。
もうひとつは、「組織におけるフリーライダー問題」や「権力(Power)の源泉」と
いう世俗的な問題に注意をはらい、問題指摘にとどまらず正面から論理的にこれを扱っているためではないかと思う。

終章では組織デザインへの幻想、すなわち「あらゆる経営問題が組織デザインで解決できるという過剰な期待」について言及されている。横文字だらけの、雰囲気だけで成り立っているような「最新の組織論」に違和感を覚えた経験のある方は、この終章だけでも一読することをオススメする。

高校生の頃、ギターのやたら上手い先輩が「基本=簡単だと勘違いしているヤツが多いけど、基本の中にはとてつもなく難しいこともあって、それがマスターできなくて伸び悩むヤツがほとんどなんだよ」などとしたり顔で語っていたのを思い出した。
本書がとてつもなく難しいかどうかはさておき、やはり組織デザインにおいても基本無くして応用、実践は無いわけである。
実務で組織デザインに関わっている方、あなたの基本は大丈夫だろうか?

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本英文法の謎を解く 完結

2003/09/06 11:34

英語教育の方法論は進化できるか

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

なぜ日本人は英語がうまくならないのか?
筆者、副島の結論は正編『英文法の謎を解く』の冒頭で示されている。「日本の英語教育における基礎工事の欠陥こそがその元凶」というのが氏の持論であり、完結編までの3冊のなかで具体的にどこにどういう欠陥があるのかを説明している。

では我々はどういうつもりで中高6年間英語教育を受け、教師は何のつもりで教えてきたのか。本書の読者はこのことを考えざるを得ないだろう。

私自身も英語学習では何度も挫折を味わってきた。
大学受験では浪人中に戦略を転換し、途中で英文法を放り投げた。結果として「基本英文700選」の丸暗記で受験は乗り切れた。本書で指摘されている「どうでもいいじゃない、覚えてしまえば」である。しかし、大学のゼミでは毎週与えられる20ページほどの討議用のケースを「満足に理解した」と思ったことは一回もなかった。

指導技術の進化は今や至るところで見られる。気合や場数も重要だが、的確な指導こそが上達の早道であるということは趣味の世界では私もいくつも体験している。ウインドサーフィンのインストラクションはここ10年で道具とともに格段の進歩を遂げたし、パチンコ必勝理論だってオカルトとのせめぎあいの中で進化するのだ。

それなのに、である。英語の指導技術はどうなのだろう?
予備校の方法論は激しい競争に面しているだけあって確かに進化しているのかもしれない。ただあれは大学入試問題の攻略法であって、英語コミュニケーション攻略法ではない。入試問題という「英語を利用した知能テスト」の攻略にフォーカスした方法論に過ぎない。そして入試問題で利用されている英語が実用に耐えないものであるということは致命的である。このことは予備校講師であった副島自身が深く絶望している点である。ここまでは一般的にもよくある議論。

さらに副島の主張を受けると、仮に目的が正しくセットされたとしても今の文法理論を使っているうちは状況は改善されない、ということになる。
つまり教える(学ぶ)目的も的確ではないし、教えている(学んでいる)内容も間違っている、というのだ。

私の場合、高校と予備校の授業を比較して「予備校の方法論のほうが幾分か洗練されているな」とは思ったが、「高校までで教わった内容に欠陥があるのではないか」などという疑いをもつには至らなかった。しかし今にして思えば、「何度読んでも、聞いても、理解・納得がいかない理屈」があまりにも多すぎた。本書(シリーズ)ではそういった多くの「納得がいかない理屈」に対して文字通り謎を解くような解説がなされている。ひとまずタイトルに偽りはない。

それにしても副島のこの仕事には執念を感じる。
正編では淡々と自説を展開するが、続編ではかなりテンションが上がり、完結編では遂にこのひとことが登場する。
「よくも嘘を山ほど教え、かつ何十年も放置してきたな」(P139)

副島の復讐が発展的な成果を生むことを祈る。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

3 件中 1 件~ 3 件を表示