ヴィア・ノヴァ さんのレビュー一覧
投稿者:ヴィア・ノヴァ
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倒産社長の告白
2004/07/02 23:41
実際に倒産を経験した社長のみができる痛々しく重い告白
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冒頭はいきなり破産前後の十日間の、著者の告白。読んでいて胃がきりきりするくらい痛々しい告白である。
著者は、新聞記者を目指すが入社試験に落ち、当座の生活のためアルバイトで入った編集プロダクションで、半分流されるかのように社員になり、社長にまでなってしまった。著者が社長になるころには前社長の性格もあり、会社はかなりややこしいことになっていた。事態は好転暗転を繰り返しながらもどんどん悪くなっていく。もちろん当事者の告白なので、自分に都合の悪いことを全て公平に書かれているとは思わないが、めぐり合わせや運の悪さ、小さなミスが積み重なり、ついには破産する。
本書を見て気づいたのは、今日本では、中小企業への適切な資金の調達が出来ていないのではないか。さらに借り方も社長やその家族、役員や取引先、友人に大きな負担を掛ける方法に頼ることが多いようである。これでは、業績が少々悪くても、思い切った再生が出来ず余計傷口を広げてしまうし、失敗後の再起も難しい。また、事業者側にしっかりとした業務内容や業績の数字の説明をする必要が無い点も気になった。著者が社長になって苦労したり、金融機関の破綻や適切な資金の融資を妨げる大きな原因の一つであろう。日本にはベンチャー・ビジネスが育ちにくいと言われているが、このあたりが一番の理由であろう。今までも散々言われてきたことだが、評論家の発言よりも、実際に体験した人の告白のほうが、何倍も良くわかる。
本書への不満としては、第3者から見た経営の問題点や友人から見た著者の人柄について、簡単でいいので書かれていたらバランスがとれて、もっと面白かったであろう。
著者は、家族が別の仕事(画廊経営)をしており、また、文章を書き、まとめるという仕事の特殊性と友人関係のおかげで、自己破産すれば路頭に迷うような生活にはならないで済んだのは不幸中の幸いであろう。あとがきにあるようにこの経験を生かして頑張ってほしい。
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