むつきじんさんのレビュー一覧
投稿者:むつきじん
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君の孤独のそばで
2003/02/15 10:27
作詞家が手がける、切ない青春小説
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表題作である中編小説「君の孤独のそばで」と、短編小説「青の残像」2編収録されている。
短編「青の残像」は自分以外の存在を上手く受け入れることが出来ない少年「氷我」、他人を癒す為に体を提供するナイチンゲールと呼ばれている少女「水蓮」、東京でバンド活動をしていた「篤朗」。三者三様の孤独を持ちよった夏休みを鮮やかに描き取った作品である。いつか終わりが来ることを分かっていながらもお互いを疑えず、脆い関係を続けていた三人に訪れた結末は残酷だった。
中篇「君の孤独のそばで」ジゴロのような生活を送っている青年と、心に闇を持っているアーティストの女性との恋愛を表現している。ピュアな恋愛を続けていた二人はやがて、取り巻いている複雑な人間関係の渦に巻き込まれていく。
いわゆる「業界」の人間を主人公にしている小説にありがちな鼻持ちなら無さはまったく無く、透明感のある作品に仕上がっている(恋愛が持っている汚れた面が出てこない点はリアリティに欠ける気がするのだが)。思春期とはまた違う、20代の人間が持っているピュアな部分に共感できる作品だ。結末は残酷だけれども、不思議と読後の不快感は無い。癒されたい人におすすめ。
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