すの さんのレビュー一覧
投稿者:すの
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子供のまま大人になった人たち
2002/02/15 23:24
どちらかと言えば「上手く子供でいられなかった人達」
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著者の他の作品は読んだことがないが、心に残った文章を引用させて貰う。最近増えてきたある種の人々を的確に表現していると思う。
「彼らは孤独を愛すると同時に孤独でいることを苦しみ、世間を蔑み小馬鹿にすると同時に賞賛されたり認められることを切望する。俗物どもを憎むくせに驚くばかりに凡庸な賛辞を期待し、謙遜しつつもあきれるばかりに傲慢である。
(中略)
彼らには誇らしげな様子と自己嫌悪がブレンドされており、言動はしばしば極端に走りがちである。そこが時として魅力的に映る(その反対に、類似した心性の持ち主からは激しい憎悪を受ける)。」
まぁ、上手く大人になれていない人間の考察という感じか。精神科医なんてのは多かれ少なかれ自分も病んでいて、だからこそ心理学などを勉強した人達だと思う。その中で著者は産婦人科医から転向してきたという経歴が変わっているように思えた。
そして、この手の患者が苦手だと言っている、著者こそが同じ心性の持ち主であり(本文中でも認めている)誰よりもイノセントを求めている種の人間であろう。
では、著者はinnocentをどういう意味で使っているのであろう? それを相反する二つとしている。
一つは幼い子供が持っているそれであり、もう一つを少年を彷彿させるモノと分けている。そして、そのinnocentの裏面を、いろいろな話を持ち出しながら語っている。
どうも作者は子供の頃イノセントではなかったという自覚が大きく、イノセントな子供というモノが大人達の作り上げた幻想であり、その性はもっとグロテスクだと訴えたいようにも見える。最近の若い方がいいのだという風潮を、誰もがイノセントな存在と自己主張しているだけと警告を発し、イノセントな振りを恥知らずだと指摘する。
故に、作者がイノセントに感じるのかも知れない。
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