水無月さんのレビュー一覧
投稿者:水無月
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からだ、不可解なり 透析・腎臓移植に生かされて
2007/07/18 13:26
澤井繁男著「からだ、不可解なり」
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ここにきて脳死、臓器移植論議が、例の宇和島病院の医師騒動で盛んである。昨年の10月、著者の澤井さんは、このことで確か、朝日新聞の「天声人語」で紹介されたのではなかったか。
臓器とはやっかいである。特に腎臓は、血液人工透析、移植、腹膜透析と、様々な治療があり、逆に、からだ、というものの仕組みを、あたかも目のまえで見せてくれる、という臓器であることが本書で分かった。患う当人はたまったものではないだろうが・・・。
「透析」治療--最初は「投石」しか連想できなかった、という著者は、26年間、自らの体をとおして、「からだ」とその「不可思議」さを、腎臓を通して学んだ。もう、いい加減にしてくれといいつつも、あらたな難題に立ち向かった日々を冷静に回顧している。
本書は、人工透析中の患者さんもさることながら、扱う題材が、宗教や哲学に近く、「からだ」と「こころ」のことを知りたいという読者にも薦めたい、と思った次第。
山折哲雄さんとの対談は絶妙と思った。
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