Nuhualpilliさんのレビュー一覧
投稿者:Nuhualpilli
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2007/07/24 12:24
世界の〈水道民営化〉の実態と、それに対抗して立ち上がった人々の記録
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途上国の大都市に鳴り物入りで導入された、水道民営化プロジェクトの数々。
「より質の高いサービスが外国資本の水企業によって届けられる」というのは、単に口約束に終わり、世界名だたる水企業も「もうからん」と、次々と民営化プロジェクトから撤退。BBCやCNNで世界中を駆けめぐった「コチャバンバ(ボリビア)の水紛争」ですが、他のサービスとは性格の異なる「水」の運営を、誰が主体となって行うのか、を問い、市場の論理ではない運営方法を市民が模索する、象徴となった出来事でした。そして、水の民営化への反対運動は地域で、国で、国際レベルで高揚しつつあります。
本書は、なぜ、どのように1990年代から民営化が進められてきたのか、という歴史的考察で始まり、その後、世界17地域(国)の「水の民営化事例」と「民間企業から人々の手に取り戻した(しつつある)事例」が掲載されています。
では、日本の現状はどうなのでしょう?そう考えたときに、スーザン・ジョージの日本の読者へメッセージが響きます:「日本のみなさん、本書を読めば、公共水道を守ることの意義、守らなかったらどうなるか、そして世界の人々がいかに闘い、勝利したのかを理解できます。」
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