アケメネス蝶さんのレビュー一覧
投稿者:アケメネス蝶
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紙の本フェロモン
2007/09/05 13:31
苦くせつなく、重くない
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東京で働くことに疲れた経験のある女性なら、必ずやなにほどか共感をそそられる連作短編集。いや、女性だけでなく、人生経験を積む――つまり理不尽なできごとに直面し、自分や他人を少しでも理解しようとする経験を積んだひとなら、男女を問わず読み応えを感じるだろう。各編の主人公はいずれも真面目で無器用で、軽い自責傾向があって健気であり、読み手を即座に味方につける。登場人物のだれが再登場してどんなスポットを浴びるか、三作目あたりまで予想がつかないことも読ませる力になっている。短い中にも次々と予想のつかないことが起きる「依頼人」と「ペンダント」が出色だ。
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