ベビーサインを使用中さんのレビュー一覧
投稿者:ベビーサインを使用中
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2008/02/20 16:02
コミュニケーションについて考えました
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著者のベビーサインの本を育児に役立てているので、介護はまだ縁がないのですが、興味があって入手しました。介護に役立つ楽々手話より育児に役立つ楽々手話第2弾を出してほしかったですが。
中のいくつかのサインはベビーサインとダブっているのは著者の赤ちゃんからお年寄りまで共通のサインでコミュニケーションが取れる、手話ができる人にも通じるようにという考えからすると当然だとは思いますが、ベビーサインの本をすでに持っているとなんだか損な気もします。もちろん、シニアサインには乳児では使わない単語、またその逆もあるし、同じ単語も重要度や日常会話での使用頻度が違うので、それぞれ一冊の本のどのあたりで紹介するかなどは著者(または編集?)の腕の見せ所で、仕方のないことだとは思いますが。また、ベビーサインはグーとパーだけで表現なので、シニアサインと多少表現のちがうものもあるようです。それでは通じ合わないのでは?と思いましたが、手話表現者とはおそらく通じ合うのでしょうね。
ベビーサインと違うなと思ったのは「悲しい」「つまらない」などの否定的な言葉が入っている点です。ベビーサインを子どもがある程度できるようになる頃には、正の感情表現だけでは本人が物足りなくなっているようだったので、今からこの本を使用して教えてあげたいと思います。「悲しい」「つまらない」というような体験はさせたくないですが、すでにしていますし、それを表現する方法がないと泣くというのは、オムツがぬれている、おなかがすいているという状態を言葉で伝えられなくて泣くという状況と全く同じだと思うので。
ベビーサインの本同様、印象的なのはイラストで、別の方が担当されたようですが、温かみのある分かりやすいもので、サインをしている人の表情がとても豊かです。サインが主役とはいえ、表情もサインの脇役のように重要な存在だと改めて感じました。「痛い」「悲しい」などの否定的な言葉はしかたないですが、できることなら、感情を伴わない言葉「りんご」「歩く」などもこのイラストの人物のように、にっこりと表現することによって、語りかけの相手に親近感を持ってもらえる表現者になれるようにという著者の祈りがこめられているように感じました。
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