ドック オブ ざ 米さんのレビュー一覧
投稿者:ドック オブ ざ 米
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2008/02/25 21:28
腰がすわった育成論
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人材育成教育のノウハウを説いた書ではなく、育成教育の思想が書かれている。その思想はピュアというより力強く、職場教育の域を超え、息切れしている日本経済全体に力を与えてくれる、まさに今求められている思想であると感じた。
現代社会にくり広げられている、さまざまな要素と、労働者の心理を対面させることによって、働きながら人が生きていくという現象への考察が、丹念に行われている。
人を育てるという事とは何であったかを、あたらめて問いかけてくる好著といえる。
120ページの3項目には、同感。人は他人をよく知らず、自分さえもまったく知らない。そのことを示す事例がいくつか示されていた。
未知なるゾーン、フロー、すべては事後的など、三の章以降は特に読み応えがあった。
この何年かで捨ててしまったものの中に、大切なものが埋もれているとの指摘にも同感。すぐに結果が出るもの、出せるものにとらわれたままでいる現代ビジネスに、今最も必要とされている思想が過去の中にあるとの指摘は、一見すると陳腐に思えてしまいがちだが、米国型の価値観のゆがみが表在化しつつあるという時代のせいか、新鮮だった。
これからの人材育成教育を考える上で基礎となる要素がたくさんちりばめてある。
時間をかけながら、再度読み直してみたい。
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