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(k・д・w)さんのレビュー一覧

投稿者:(k・д・w)

4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本透明人間の納屋

2008/04/28 11:19

島田氏らしさ溢れる良作

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

新本格ミステリィ界の巨匠・島田荘司による、「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」講談社ミステリィランド本。

このレーベル(っていうのかな)は、今は亡き著名編集者・宇山氏が立ち上げたもので、森博嗣が探偵伯爵と僕』を、乙一が『銃とチョコレート』をそれぞれ書き下ろすなど、なかなか豪華。

内容に関しては、カバー画像をクリックしていただければ詳しい情報が読めたりするわけだけど[笑]、個人的には、西澤保彦ではないのだから本当に透明人間になる薬なんてあるわけないよな、絶対トリックがあるよな、と思いながら読んだためメインの部分は意外性がなかったが、まさかあの国が関係してくるとは、と多少面白かった。
これぞリアルワールド情報(ノンフィクションらしさ)を絡めたいタイプの島田氏、といったところか。

あと、終盤に、【八階だったから、ベランダからは多摩川と、川向うの登戸の家並みが望めた】なんて記述があり、ああ、あそこらへんかぁ、と映像が浮かんで楽しめた。
川崎に住んでいたことがあるので。
しかし…、子どもに向けの割には、終わり方に救いがなさすぎかも…。
そこがまた素敵なんだけど。

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紙の本もえない

2008/03/23 13:57

シリーズ外作品が良い森ミステリィ

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『野性時代』に連載していた森博嗣の作品。タイトルからして、過去に同誌に連載していた『どきどきフェノメノン』と似た軽い感じかな、と思っていたけれど、まったく違った。これまでの作品の中では、個人的に評価が高い『少し変わった子あります』と似ており、洗練度数が高く、非常に良かった。シリーズモノではS&Mシリーズの『幻惑の死と使途』と近いテーマ(墓、名前、火)で、名古屋人としては作中の地理的な近似もわかり心地良かった。
最近の森博嗣は、Gシリーズ、Xシリーズともに、過去の作品群のようなキレ味が減っているのでは、といった懸念が囁かれがちだけれど、それは新しい読者のためにわざと軽くしている(レベルを落としている、とまでは言わないが)だけで、実力は決して落ちていないと思う。むしろ、洗練度数、素敵さ、ムードの良さは増幅している。それはここ最近のシリーズ外作品、『少し~』、『ゾラ・一撃・さようなら』、そして今作『もえない』を見れば明らかだ。
鈴木成一デザイン室の割には装丁が悪すぎるものの、内容は最高級である。全力で薦める。装丁は、明るく軽すぎるんだよ…。暗く重い雰囲気にしてほしかった。
下記引用は、わかるわかるその状態、と激しく共感した。主人公の高校生の語り。高校生ならではの感覚か。

【自分の気持ちが、自分には見えないずっと奥の方で、隠れているのに叫び声だけを発している。それが聞こえてくる。叫び声というよりは、呻き声だろうか。どうして叫んでいるのか、何を呻いているのか、それはわからない。怒っているのか、泣いているのか、それとも喜んでいるのか、それさえわからない。ただ、普通ではない。興奮している声なのだ。それだから、落ち着かない。急かされているようで、こちらまで苛立ってしまう。なんとかしなければならない、早く手を打たなければ、という気持ちが当然沸き起こるのだけれど、しかし、何をどうすれば良いのだろう。まったく、それが見えてこない。それでますます焦ってしまうのだ】。
怒りたいのか泣きたいのか喜びたいのか、それがわからないけれど、なんとかしなければ、とだけ思うことが、たまにあった。

英題、Incombustiblesは「燃えない」。でも個人的には、飛山さなえに萌えた、ということで…[笑]。

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紙の本ナイン・ストーリーズ 改版

2008/03/03 12:44

切なさが最高。

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

『森博嗣のミステリィ工作室』のルーツミステリィ100のコーナーで、【サリンジャーは最高に好きな作家】、【僕の文章の目標】、【20代の頃はこれが自分の中でトップ】などと猛烈に褒められていたから、興味を持って買った本。

最近、無性に再読したくなって、再読した。欲求はすぐに満たしたい人間だ。

さて、内容だけど、これが、読みたくなって読んだからか、非常に良かった。最初に読んだときは、う~んこれがトップかぁ、という感じだったけれど、2回目の今回、やっと良さがわかってきたみたい。

森氏が、【あまり若い頃に読んでも良さはわからないかもしれませんが、ある程度小説を読んで、読解力がついた20代くらいに読むのが良いと思います】と分析している、そのとおりだった。

なんだろう、たとえば収録2作目の『コネティカットのひょこひょこおじさん』の、親なんだけど親になりきれない切なさというかぁ、そんなのとか、凄く良いし、『対エスキモー戦争の前夜』の最後の一文、『小舟のほとりで』の切なさ、『エズミに捧ぐ』の切なさ、最高だね。
結局全部切ないんだけど[笑]。

サリンジャーは『ライ麦畑で捕まえて(キャッチャー・イン・ザ・ライ)』が一番有名で、それも若い頃に読んだんだけど、いまいち良さがわからなかったから、また再読したい。
他の作品も、もっと読みたいね。うん。

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バイブルにしたい。

18人中、17人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

タイトルが悪すぎるけど(原題はワンアップ・オン・ウォールストリートとかいう秀逸なタイトルだけど、邦題が最悪)、内容はとても良かった。今年読んだ投資本の中ではベストで、株系に限定すれば今まで一番良かった。バイブルにしたい。文字が小さくて分厚くて、濃厚なんだけど、文章はウイットに富み、読みやすい。著者のピーター・リンチは、世界最大規模の投資ファンドを運営するファンドマネージャー。バークシャー・ハサウェイのウォーレン・バフェットや、クオンタムファンドのジョージ・ソロス、ジム・ロジャーズ、あたりが世界三大投資家として有名だけど、おそらくリンチ氏も彼らに匹敵する実力を持っているはず。投資スタンスとしては比較的長期で、自分の身近で起こっている出来事に注目して割安を買っていく、王道な感じ。特徴としては、機関投資家が買わないような小さな企業を拾い、10倍を目指す(テンバガーだとか)。しかし、偏った印象はまったくなく、非常にバランスの良い投資家だと思った。それは、株式をまず以下の6種に分類してから考えよ、という教えからもわかる。以下の6種とは、1、低成長株(電力株、事業拡張の余地なく配当が安定)、2、優良株(コカ・コーラ、P&G。低成長株を上回る成長、年率10~12%の成長期待。不況に強い)、3、急成長株(タコ・ベル、ウォルマート、Gap。財務内容が良く収益性の高い会社を)、4、市況関連株(売上と利益が循環的に上下。自動車、航空、タイヤ、鉄鋼、化学。優良株とは異なる)、5、業績回復株(クライスラー、フォード。大きな利益が期待できるが倒産も)、6、資産株(金属、石油、テレビ局、特許を持っている薬品)である。イメージではなんとなく掴んでいても、今まで、ここまではっきりと分類を考えたことがなかったから、見習いたいと思った。他に印象に残ったのは、何にたとえていたか忘れたけれど、椅子だったかカーテンだったか、そんなものを買うときは、何軒も店を回り何週もの週末を費やすのに、10数万円の株を購入するときは、皆10分も考えずに決断する、というような記述だ。これは耳が痛い。自分も、ある程度財務状況などは調べていても、社長の名前すら知らずに株を買っていることがある。何故だろう、10万円の椅子を買おうものなら、悩みに悩んで、検討に検討を重ねるはずなのに、10万円の株だと、あっさりと買ってしまう。以後、気をつけたい。

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