streetkidsさんのレビュー一覧
投稿者:streetkids
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ラナーク 四巻からなる伝記
2008/10/14 12:41
これまあけったいな小説である。
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現代スコットランドを代表する作家、アレスター・グレイ。デビュー作にして問題作、そしてこの分厚さ、というと日本でも邦訳の出ているマーク・Z・ダニエレブスキー『紙葉の家』(ソニー・マガジンズ)を思い出させるけれど、こちらはあちらほど奇を衒ったこともなく、ひとりの男の人生を淡々と綴った「伝記」である。
といっても、一巻、つまり主人公の誕生から物語がはじまる通常の伝記とは違って、「三巻」から物語がはじまっていたり、本当なら物語の終わりにあるはずの「エピローグ」がラスト50ページにあったりとなにかがおかしい。もっとも、手法的には錯綜している物語も、ラナークの人生における悲哀を扱っていることから決して逸れない。自分は特別だと思い続け、また周囲からもそう扱われていた故の「かなしみ」、自分はこうなるはずじゃなかったんだという「あやまち」。人生は滑稽である、だからこそドラマになると、そういうことを言いたかったんじゃないかなあと思うわけだが、それは邪推かもしれない。
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