パウ子さんのレビュー一覧
投稿者:パウ子
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紙の本アメリカの小学校ではこうやって英語を教えている PHONEMIC AWARENESS
2008/10/15 00:28
言葉を習得するプロセスって、なんて面白いんだろう
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アメリカの、スペイン語圏からの移民が圧倒的に多い地域で、長年にわたりその子弟に英語の読みを教えてきた著者による、具体的なプログラム紹介の本。
ライミングという、言葉の尻尾の部分の音が共通する語を集めて発音していく方法や、アリタレーションという、言葉の頭の音が同じものを捜して集めていく方法など、具体的に説明されている。
一番心を動かされたのは、それらの練習プログラムがただ機械的なトレーニングとして考えられてはいないこと。こどもと楽しく遊ぼうと言う発想が貫かれていて、そのための教材には、年月を経て伝承されてきた(洗練された)言葉遊びや、質の高い絵本が選び抜かれている。
ライミングのコンセプトを理解しやすい絵本や、アリタレーションがふんだんに入った絵本などが表紙写真入りで紹介されているのも必見の価値あり。
私はこの本を読み進むにつれ、わが子が幼かった頃が思い出されてならなかった。
ウチの子は日本語だけで育った。1歳過ぎから2歳にかけてのころ、とても面白い言葉を「語って」いたものだ。「なん(口ヘンに南)語」と呼ばれるもの。私に向かってよく、リュリュールロロー、マムマムニャアリュリュー?ニャニャムーリャーリャー・・・?などと「語って」いたっけ。
大人が話す音とイントネーションだけを真似て、意味は棚の上に。親の方は、この「なん語」が半年か一年で消え去っていくものであることを経験的に知っていたので、いとおしく思い、さかんに子どもの口真似をして返していたものだ。
そうしていつのまにか日本語を意味ごと習得していったわが子たち。
本書を読みながら私はそれを思い出し、アメリカにおける第2言語習得のプログラムはこの「なん語」期を意図的に再現させているものなのではないかと思った。そしてそれは、第2言語を学ぶという点において、日本の子どもが英語を学ぶにおいてもきっととても有効に違いない。
それにしても、言葉を習得するプロセスというのは、なんて興味深く面白いのだろうか。
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