ちゅんたさんのレビュー一覧
投稿者:ちゅんた
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HAPPY VICTIMS着倒れ方丈記
2008/12/24 13:45
服に埋もれるしあわせ それも単一ブランドで! こんなふうにも人は生きられるのか!
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
今、売ってる服を見るのは、店に行けばいいんだから、カンタンだ。
しかし、いったん、人の持ち物になってしまった服を、新旧とりまぜて、まとめて見る機会など、皆無でしょう?
親友のワードローブの中まで、じっくり覗くことだって、まれなんだから。
それが、この本では、舐めるように人の服のコレクションを見ることができる。
それも、極端に一つのブランドにこだわってる不思議な人たちの世界だ。
部屋の隅々まで写真のピントがあっていて、むしろ居住者の面影はおぼろ。それがまたいい。ここでは、服&物質が主役なのだ。
そして、そこで服に囲まれて、服に大枚をはたいて暮らす人たちの、生活ぶりが、文章で語られる。文章は、人間主体。そして、写真に写っていない部分を、文章がおおいに語っている。
ヴェルサーチのコレクター、ここまで集められて、すごいです!
フェレだらけのお姉さん、「病気のときは、フェレは着られない」と!
ミッソーニのおにいさん、エルメスのサラリーマン、伊太利屋の熟女、それぞれの
暮らし、好みのブランドとの釣り合い、もしくは、不釣り合い(ごめん!)が
感心したり、笑ったりできる。
もっと、もっと、見たい、もっと他のブランドでも、その服で埋もれている人を見たい!
プラダ。
クリスチャン・ラクロワ。
エトロ。
そのあたりが、ラインナップにはいっていないのは、惜しかった!
それにしても、ブランドって、いっぱいあるね。
いま、休刊になっている雑誌『流行通信』の連載7年分記事とのこと。
世界を変えた100日 写真がとらえた歴史の瞬間
2008/12/26 12:50
これが現場か! 世界が変わる瞬間を見る!
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
ダイアナ妃のポートレイト写真と、そのまわりのカラフルな花束、で始まる。
この最初の一枚には、「プリンセスの悲劇」が、写っていることを、われわれは知っている。
毎日淡々とすぎてゆくはずが、何かのきっかけで、がらっと変わる。世界が変わる。そんな瞬間がとらえたこれらの写真で、その時の空気を読むことができる。
演技ではない、作り込まれたセットでもない、「やらせ」なんて存在しようもない、現実と事実だけが持っている、「なにげなさ」と「異常さ」が混じりあった不思議を、そこに見る。
そうそう、現場って、案外、そっけないものなんだよな。
ドラマティックじゃないからこそ、そこに、冷ややかな、現実味を感じて、われわれは戦慄するのだ。
ツタンカーメンの墓の、けだるい発掘現場。
世界貿易センタービル自体が煙突に見えるような煙。
バンダアチェの陸に、ぽん、と、乗り上げた船。
一通り見終わって、今、というのは、必ずしもいいことばかりではない未来につながっているというような確信を得る。
悪くない確信だ。
そういうことを、わかってた方がいい。
BORO つぎ、はぎ、いかす。青森のぼろ布文化
2009/01/05 09:34
現代アートか、丹前か!?
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
青森は、こぎん刺しという刺繍で有名だけど、こんな世界があったとは、しらなんだ。
その青森で、ひたすら、小布をつなぎあわせてできあがった、布製オブジェ(ほんとは、ちがうんだけどね)の記録のこの本、どのページを開いても、現代アートかと
みまごうばかりの、前衛・布・表現だ。
しかし、ホントは、野良着だったり、こたつ布団だったり、丹前だったりするんだよ、これが。
驚き!
写真がいい。
被写界深度の加減がよく、モノとしての存在感、テクスチュアの再現性に重きがおかれているから、感傷抜きに、見られる。
まわりの風景とかみあわせた写真もよい。
レイアウトも洒脱。
どんなふうに着たのか、使ったのか、ほんとの地元の人たちの使う様子の写真もあるとよかったが、若い男女のモデルが、着ているショットは、ある。やはり、生活としてではなく、対象として「ぼろ」をあらわしたかった本なんだろう。
ここにでてくる布の素材は、すべて、麻とのこと。
青森では、綿花は育たないんだそう。だから、麻だけなんだと。
風土の特徴がそのまま、こんなに、形になるなんて、興味深い。
限定されることによって、より自由になる、という世界をかいま見ることができる。
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