ビージェントルさんのレビュー一覧
投稿者:ビージェントル
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食料自給率の「なぜ?」 どうして低いといけないのか?
2008/12/28 19:17
佐藤優氏(外務省のラスプーチン)も絶賛
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佐藤優氏(起訴休職外務事務官/外務省のラスプーチン)が雑誌にて絶賛していたのが、購読動機。同氏の書評は、評論家が蘊蓄や御託宣を並べた上滑りの論評と違って、地獄を見たベストセラー作家だけに説得力があり、参考にさせていただいている。
さて本書であるが、現役官僚が「食料自給率」という一つの指標(メルクマール)を舞台にして、現在の日本が抱えている「食料問題」について、『一般国民と共有したい』として上梓したものと読み取れる。決して専門家向けでなく、又、大学の客員教授であることもあって、著者の個人的な経験もまじえた飽きさせない講義を受けているようで、平易でかつわかりやすい内容になっている。
残念なことは、「農業が産業(ビジネス)として繁栄できない限り、食料自給率の向上はありえないこと。そのためには何を反省し、何をしなければならないのか。」については触れられていないことである。これはそもそもの主たる上梓目的ではないため、削られているのかもしれないが。
現在、業種人口の偏在は産業構造の変化により目に余るものがある。人が必要なところにはビジネスがなかなか成立せず、人手不足となっている。一方、建設業等ダウンサイジング傾向にある産業においては、リストラの嵐になっている。又、サブプライムローンが端緒となった金融危機に見られるように、『食料戦争』が世界のどこかで勃発したら、「日本はどうなってしまうのだろうか。」と思う今日この頃である。
本書は、行政官として問題解決に着手するためのプロローグ著作と認識することとしたい。官僚をアンチテーゼとする勢力から袋叩きにあうことを覚悟の上での上梓は、官房長の辞任にも見られるように農水省の危機感の現われとも窺われる。かつて「官邸の黒子」(「官邸主導」清水正人著)として小泉内閣時代にみせた突破力を今後期待するところである。
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