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投稿者:教育出版
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紙の本流氷の伝言 アザラシの赤ちゃんが教える地球温暖化のシグナル
2009/02/25 11:49
著者&編集者コメント
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【編集付記】
多くのアザラシは流氷の上で生まれる。しかし、その流氷がもろく小さくなっている。泳ぎを覚えるまで守ってくれるはずの流氷が解けてしまうせいで、毎年何十万頭もの赤ちゃんアザラシがおぼれて死んでいるのだ。
20年間にわたってアザラシの赤ちゃんを撮影してきた写真家・小原玲が目撃した「地球温暖化」。未来をつくる子どもたちに、その現状をわかりやすい言葉で伝え、「わたしたちはどうしたらいいか」を問いかける。小4以上を対象としたふりがなつき。
掲載された90枚の写真には,かわいらしいアザラシの赤ちゃんの魅力が満載。写真集としても楽しめる1冊となっている。
【著者より】本文610w
わたしは、20年間にわたって流氷の上でアザラシの赤ちゃんの撮影をしながら、地球温暖化による流氷の変化を目撃してきました。この本は、その中で抱いた思いを子どもたちに伝えたいとまとめたものです。
小説家の妻は子どもの詩のコンクールの審査員をしていたことがあるのですが、都市部の子どもたちの詩に「環境を守りたい」「自然を大事にしましょう」という言葉が次々と並ぶのに、自然を見て感じた言葉が出てきていないことを心配していました。そんな中、地方の子どもから送られてきた「草むらで見つけたヘビを振り回した話」や「指に止まったトンボと目と目があって、ボクの心がシーンとした話」を書いた詩に喜び、感動しました。
子どもたちは自然に触れ、自然を学ぶすばらしい感性をもっているのに、私たち大人は、その感性をありきたりな理屈に押し込めてしまっていないかと思うようになりました。
本にも登場しますが、私たちの次男には発達障害があります。ところがこの子を流氷に連れていくと、動物写真家の私以上にまわりの自然を感じ、体全体で流氷を楽しみます。その姿を写真に撮りながら、私は自然とのふれあいかたを子どもから学んだような気になりました。
地球温暖化という人類が向かう大きな問題に対して、もっとも大きな力をもっているのは子どもたちの感性ではないかと思います。私は、そのような子どもたちこそが、地球温暖化を解決する道筋を見つけてくれるのではと思っています。
小原玲(動物写真家)
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