朗読亭主人さんのレビュー一覧
投稿者:朗読亭主人
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グランダンの怪奇事件簿
2009/03/31 18:33
ファントム・ファイターに乾杯!
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
古い時代の翻訳ミステリが数多く読める時代ですが、なかなかこれという面白いものにぶつかりません。余り熱読していないせいでもありますが、ご大層なハードカバーばかりというのも、手が引っ込みます。大乱歩も探しあぐねた『幽霊塔』のネタ本『灰色の女』も、もう1つコクの乏しいミステリでした。実はこのオカルト探偵シリーズも、「ウィアード・テールズ」誌の人気作との触れ込みながら、これまで読んできた同誌掲載物のホラー・アンソロジーの多くの例に洩れず、何を今更の落穂拾いと思っていました。本家物のブラックウッドによるサイレンス博士の事件簿が新訳されたことで、この種のオカルト探偵のシャーロック・ホームズというキャッチ・フレーズに乗せられて一読しました。結果はなかなか面白いシリーズで、これまで未紹介だった(?)のが不思議な作家です。読み物としては軽いものばかりですが、筆力もあり、ロバート・E・ハワードの濃密さは乏しくとも、あっけない作品ばかりではありません。何より、主役のフランス人探偵グランダン氏がなかなかのキャラクターです。今回訳出された10作の中では『ウバスティの子どもたち』と『ポルター・ガイスト』が面白く読めました。第2集も出るものか不明ですが、長編が1作あり、それを期待したいものです。超自然現象や異形の怪物を相手にするお話は、サイコ・スリラーなどの読み手には何やら幼稚と映るやも知れませんが、ナイト・キャップには最適です。各作品の、作者が凝らした怪奇な趣向を素直に楽しみましょう。
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