なのしんさんのレビュー一覧
投稿者：なのしん
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わが家の母はビョーキです
2009/05/08 10:15
子供の頃を思い出して・・・
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自分も母親が統合失調症で、子供の頃は「なんでうちの母親だけこんなにおかしいんだろう」と思っていました。テレビで「普通の家族」の風景が出てくるたびに、自分らだけなんでこんなに違うんだろうとか、自分がトロくていじめられるのもみんな母親のせいだとか思ってました。
この本を読んでもっともつきささるのは、子供の頃のエピソードですね。まともに育児もできず、どんどん孤独になっていくことへの、若い母親のもどかしさと絶望感というのがよく伝わってきます。「頭のおかしい」母親にわけもわからず手をひかれて泣き叫ぶ子供、冷たい周りの視線・・・まさに私の子供の頃の風景でした。長い間思い出したくもなかった記憶がよみがり、思わず泣きました。
この本と違うのは、暴れたり叫んだりしないかわり「正気」でいることもほとんどないこと、病院には素直に行っていること、親戚が面倒を見てくれたこと、父親が過剰にしっかりしていたこと（これが病気の原因でもあるんですが）、そして子供が作者に比べてまったく頼りならないダメ人間だったということでしょうか・・・。
ごく身近な病気でありながら、こういう本が今までなかったというのが、やはり問題です。それくらい統合失調症というのは、あらゆる病気の中でも周りから最も「嫌がられる」病気なのです。誰にも相談できず、全て家族で抱え込んでしまうのが現実です。内容そのものにとくに目新しさはありませんが、部外者にも目が触れるようなユーモアなタッチで描いてくれた作者に、本当に感謝したいです。
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