大庭掃部さんのレビュー一覧
投稿者:大庭掃部
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失われた歌謡曲
2010/03/17 21:33
昭和後半30年の歌謡曲を総ざらい
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
1960年代前後から80年代末までのいわゆる歌謡曲(70年代以降の演歌を含む)について総ざらいしています。範囲がかなり広いだけに、著者と同年代でも取り上げられている曲の半分が分かればいいほうなのでは、と想像します(ちなみに評者は著者よりも20年ほど若いのですが、AMラジオばかり聞いて育ったので、かろうじて半分ぐらいは分かります)。特定ジャンルに絞ったマニア向けの内容ならともかく、これだけ幅が広いと活字だけで紹介するというのは無理があって、ぜひラジオのレギュラー番組で毎週テーマを決めて説明してほしいところです。
しかし、幸いなことに、当時の曲のかなりを今では気軽に(しかもラジオ以上の音質で)聴くことができます。「脳内再生」できるつもりの曲でも、聴きかえしてみると思いがけず心に沁みたり、あるいはずっと好きな曲のつもりだったのに意外とつまらなく感じたり、印象が違ってくるのがおもしろいところです。もっとも、一曲一曲聴きかえしていたらいくら時間があっても足りませんが……。
文章はボケとツッコミが利いていてテンポがよく、取り上げられている曲を思い出しながらでもすらすら読めます。芸能界にも接点がある著者がここまで書いていいのかとこちらが心配してしまうぐらい、筆鋒にためらいがありません。下世話なのも評者は好きです。ただ、「歌わされる」歌謡曲と自己表現との間の葛藤、という点については多少お気楽に過ぎる気もします。そういう意味でも、再版の機会があれば、歌わされている感が希薄になった2000年代の女性アイドル歌謡についての加筆を期待したいところです(モーニング娘。はスタイルとしてはおニャン子クラブ、ヒットのしかたはピンク・レディーを連想させましたが、本書での論旨からするとむしろキャンディーズの系譜を引いていることになるのでしょうか)。
読んでいると、自分の好きな歌謡曲の傾向がなんとなく分かってきます。あと、ぴんからトリオや殿さまキングスのヒットはただのコミックソングだと(リアルタイムで知らない評者は)思いこんでいたのですが、そう単純なものではない、という指摘は的確で、見逃せないと思います。
君たちはどう生きるか
2014/10/27 20:53
岩波文庫版との相違
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
岩波文庫版の丸山眞男による解説によると、
・岩波文庫版は戦前に執筆された初版を新字新かなに改めたもの(を丸山の提案によりあえて再刊した)
・ポプラポケット文庫版は戦後、吉野本人が短縮し、表現を平易に改めたもの
・論旨の部分では相違はない
とのことです。(ななめ読みなので、正確でない表現があればご容赦ください)
ポプラポケット文庫版は新書判で活字が大きめ、総ルビです。岩波文庫版には前述の丸山眞男「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」が付載されています。
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