renogooさんのレビュー一覧
投稿者:renogoo
紙の本わたしを離さないで
2011/08/19 07:12
さすが世界のイシグロ
6人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
映画化されたと聞いたので、原作もよんでみた。
良くも悪くもイシグロカズオだった。
もりあがりにかけるといえば、かけるんだけど、これがイシグロ文学といわれれば、はあぁそうですかってかんじ。
淡々とした語りが、さすがブッカー賞作家と言われれば、まあそうですねって納得するしかない。
臓器ファームがテーマとなっているんだから、いくらでも泣きを取れるだろうに、淡々としすぎて、あっけなく終わってしまった。
凡人の私は、泣き所がほしかった。
さすが世界のイシグロ。
ということでこれは映画でみてください。
紙の本江戸の子守唄 新装版
2011/11/23 08:28
ダメダメぶりが目立つ
4人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
御宿かわせみの女主人るいとその恋人神林東吾の身分違いの恋(町娘と一応与力の家柄のあととり)がベースになっているが、もちろん事件連発。
与力なのは東吾の兄である通乃進、本人は一応あととりっぽいけど、冷や飯食いの次男坊というかんじ、もちろん役職などない。ないのに、事件探索、同心と一緒に行動して口はさむ。一応、上司のあととりなので、もちろんみんな”あんたなんでここにいるの?”とは聞けない。
一方、るいの父親は元八丁堀の同心。 今は宿屋の女主人をしているが、れっきとした武家の出。ちなみに、東吾さんより1歳上の25歳。
まず、この二人いろいろと家の事情があり結婚できないらしいが、なぜなのか今ひとつ分からない。
るいは今こそ町方ではたらいているが、元は武家の出。 東吾さんもるいの家に婿にいってもいいとさえ思っていた。たしかにストレートではないけど、いくらでも方法はあるはず、二人がなぜこんなに深刻に悩むのかなぞ。
第2に、東吾さんダメ。
確かに仕事がない、ふらふらしている次男坊だといえ、蕎麦屋の勘定をるいに払わせるのはいかがか?
おひねりだって、るいがいつも払ってる。
次に、いくら正式な関係でないとはいえ、東吾さんが気の向くままにるいの宿に寄ったり寄らなかったり、これでいいのだろうか? 好きな時に来て、お酒とご飯食べて、仕立てられたばかりの着物に着替えてのんびり。また、気の向くまま、出て行く。 こんな男はいやだな~。それでまた、るいが辛抱強いんだ。
日陰の身で東吾さんが来てくれるだけでうれしいらしい。
こんなダメダメぶりの二人にイライラするばかりであった。
紙の本龍神の雨
2012/01/01 14:37
これが大藪春彦賞受賞作
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
全308ページ読むのに40分ほどしかかからなかった。
面白かったからではなく、途中からどうでもよくなって斜め読みした結果。
技巧ばしって上っ面ばかり、
雨と龍伝説をからませようとしても空回るばかり、
感情論に呼掛けようとしても陳腐になるばかり、
中途半端に伝説の類をいれこむ浅はかさ、
登場人物の視点を交差させなんちゃってトリックにさせようとする安易さ、
登場人物が小学生から高校生そして19歳と微妙な年齢に設定してあるのにそれ全てを幼さだけで表現しようとする乱雑さ、
子供っぽいミステリーじゃなく人間の深層心理にせまるみたいなものも書けるぞってとこを見せようと躍起になった末の愚かさ, と全てにおいて鼻につく作品だった。
これと比べて、ラットマン、シャドウなどのほうがずっといい作品だとおもう。