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garuhiさんのレビュー一覧

投稿者:garuhi

44 件中 1 件~ 15 件を表示

優しさのかなた

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

著者菅谷氏が大学病院の助教授という職を投げ打って、チェルノブイリに赴き、専門の甲状腺ガンの治療に携わった、貴重な診療記である。本書から伺いうるのは著者の患者さんへの限りなく優しい眼差しである。それは翻って、同僚や後進の方・看護師に向けられる暖かな眼差しと重なり合う。
一九八六年四月二六日のチェルノブイリ原発事故と二〇一一年三月一一日の福島第1原発の事故は人類史に深く刻み込まれた世紀の大事故である。チェルノブイリの10年後にベラルーシ共和国の高汚染地帯であるゴメリ州ではガン発生率が世界平均の100倍に達していると著者は書く。其れは福島の10年後を予言するものである。われわれはチェルノブイリに・歴史に多くのものを学ばなければならない。

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二十一世紀の「イギリスの労働者階級の状態」

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

筆者ブラッドワースは元トロキストで、英国のジャーナリストである。本書はかれがアマゾンのピッカーやウーバーのドライバーとして体験した「ギグ・エコノミー」のルポルタージュである。それはまさしく、現代のイギリス労働者階級の最底辺で労働している最貧困者・移民労働者の現状と本音を代弁している。アマゾンの巨大倉庫でトイレにも行けず昼食の時間をも「節約」して、伝票に指示された商品をかき集めベルトコンベアに流し込む作業を一日中繰り返すのである。一日の歩行距離はじつに一六キロメートル以上にのぼるというのだ。また、この職場で圧倒的に多いルーマニア人の劣悪な食住生活も克明に記録されている。さらにかれは、訪問介護の介護士・コールセンターのオペーレター・ウーバーのドライバーになり、そこでの労働者の状態を克明に浮き彫りにするのである。それは、あたかも若き鎌田慧による『自動車絶望工場』に似ている。
 日本にも上陸したのにもかかわらず、全然普及しないウーバーであるが、英国とりわけロンドンでは爆発的に増殖したようである。ドライバーとして採用されるのは非常に簡単ではあるが、そこで一人親方として生計を立てていくのは如何に困難であるかを、かれは見事に証明してみせた。
 日本でもまた、インターネットを媒介とした商売が拡がっている中で、英国のそれを”隣の芝生”と見るか”他山の石”と見るか。少なくても本書は日本のそれを考える上でその機会を与えてくれるであろう。

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紙の本岩合さんの好きなネコ

2016/08/10 05:11

さすが岩合さん

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

猫ブームの昨今、ねこの写真はCMやネットにあふれかえっています。
そんな中でひと味違うねこの表情をこれまで提供してくれた岩合さん。
自信に満ちて「好きなネコ」を特集してくれました。
7月下旬に注文していたにもかかわらず、版元売り切れで、なかなか届きませんでした。
やっと手にした「好きなネコ」どのページも「このショットは最高」と思わず声を上げたくなるものばかりでした。特に表紙にもなっている神奈川県の太っちょのネコが好きになりました。岩合さんの好みがよく出ていると思いました。
山形・立国寺のスイカが個人的には好きです。
いずれにしても岩合ファンには「座右の写真集」であることは間違いないです。

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紙の本祭りの場・ギヤマンビードロ

2015/10/28 02:57

40年前には理解することが出来なかった

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

1975年に林京子が「祭りの場」で芥川賞を受賞して、文壇にデビューしたとき、わたしはこの作品を読んでいる。でもその時、この作品の背後にある、のちに「原爆ファシスト」とも表されたという著者の凝縮された怒りを読み込むことは出来なかった。井伏鱒二の『黒い雨』も佐多稲子の『樹影』も素晴らしい作品である。けれども、原爆を体験してしまったもののみが知る「生体反応」とも言うべきものを、40年もの歳月をかけてやっと読み込むことが出来た。それは、筆者が後に「被曝していなければ、文章を書かなかった」と言ったことの真意に、少しだけ近づいたことを、意味すると思う。

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紙の本猿橋勝子という生き方

2015/09/30 00:25

科学者は同時に哲学者でなければならない

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猿橋賞の創設者であり、第5福竜丸事件以降の日本近海の海水に含まれる放射性物質・ストロンチウム90・セシウム137の分析において世界的に傑出した成果を残した気象庁研究員にして日本の女性科学者の草分け的存在であった猿橋勝子とは如何なる人物であり如何なる生涯を送った人物であったのか。元日本物理学会会長である米沢富美子による猿橋勝子の評伝である。本書で初めて知ったのは彼女が戦後原水爆実験による放射線物質=死の灰の人体に及ぼす影響を研究し「死の灰と闘う科学者」 (岩波新書)としてつとに有名であった三宅泰雄の愛弟子であったと言うことである。彼女は三宅が唱えた「科学者は同時に哲学者でなければならない」という科学哲学の唯一の継承者であった。
3.11以降原発推進政策における科学者の責任が厳しく問われなければならない現在において、50年以上前から構築されてきた彼らの業績を再評価し学ぶべき多くの事柄をくみ取っていく作業は焦眉の課題とならざるを得ないであろう。原発の新増設の積極的推進を鮮明にしているのみならず、原爆の保持すら公言してはばからない安倍晋三第2次内閣の成立おも許した現在のわれわれにとって彼らの科学哲学を引き継ぎ現在によみがえさせることはまさしくわれわれの課題でなければならない。

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紙の本えほん障害者権利条約

2015/09/23 05:38

多くの人に読んでもらいたい

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障がい者制度改革推進会議議長代理・日本障害フォーラム(JDF)幹事会 議長・ 日本障害者協議会(JD)常務理事・きょうされん常務理事の藤井克徳氏のめずらしく柔らかい絵本。それでも、不思議なことに藤井氏の誠実さとこの障害者権利条約にかけた祈るような気持が至る所ににじみでている、と思う。版画の絵がまた素朴で愛着が湧く。出来るだけ多くの人に読んでもらいたい。

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紙の本ふるさとのねこ

2015/08/22 03:13

NHKBSプレミアム「世界ネコ歩き」でお馴染みの岩合光昭さんの「津軽の四季」の写真バージョン

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

NHKBS「世界ネコ歩き」でお馴染みの岩合光昭さんの「津軽の四季」の写真バージョン。もう40年以上もねこをとり続けてきた岩合さんの「ねこもの」はねこ好きには堪らない。でもこれは特別。2014年5月以来1年間津軽でコトラ一家をとり続けた記録。21世紀の喧騒と多忙の「魂のない世界」で生活しているわれわれにとって、津軽というふるさとでいきいきとあそぶこねこたちの一瞬を切り取った写真たちは、どれもがこころを癒やし、その原風景に吸い込まれそうだ。

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紙の本男どき女どき 改版

2011/09/24 05:13

短編の名手

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巻頭の「鮒」「ビリケン」が際だってみごとである。ありそうにも無い設定を、日常ごとのように読者を誘い込む筆者の筆力に驚かされる。それとは逆に、何の変哲もない日常の中に、人間の・男の・女の性を浮き彫りにする著者の作家としての眼は、尋常ではないことを実感させられた作品集であった。

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紙の本僕の叔父さん網野善彦

2015/09/22 03:07

中沢宗教人類学誕生の秘密

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

偉大なる歴史学者網野善彦を実の甥である宗教学者・哲学者である中沢新一が、哀惜を込めて追悼した文章としては興味をそそられる。網野善彦が愛情を込めておいである中沢の成長を促そうとしていたことはよく解る。そして、「非農民」「アジール」「本源的自由」などのキーワードに触発されて、中沢宗教人類学がいかに生み出されたのかは、ビビッドに伝わってくる。ただ、それをもって網野史学を裁断してはいけない。網野善彦の学問的誠実さを、同じ学問を志すものとして、もう一度考え直して欲しい。

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電子書籍思い出トランプ

2015/09/30 01:16

向田さんの芸

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「かわうそ」から始まるこの13編の向田作品。三〇年以上も前にも『父の詫び状』と共に読んでいる。それは向田さんが直木賞を取る前であったか後であったかは、もう定かではない。どの作品も充実していて、独特の向田ワールドを形作っていて読むたびごとに鳥肌が立った。今回中学生までに読んでおきたい日本文学の中にたまたま「かわうそ」だったか「ビリケン」だったかが入っていて、もう一度読み返してみたくなり、新たに買い求めて読み返してみた。やっぱり何度読んでも凄い物は凄い。三〇年間自分のなかで埋もれていた作品のなかでも、「大根の月」が僕にとっては忘れられない作品だった。昼間見る月が大根の薄切りにそっくりだというたとえが昼間に月を見るたびに僕のなかで、向田邦子を連想させていた。なんて比喩のうまい人なのだろう。そして物語の展開も水上勉言うところの「向田さんの芸」であり、生中にまねのできる物ではない。向田邦子の文章、小説にせよ・エッセイにせよ、日常の中のふとしたことをきっかけとして人生の・人間の機微を鮮やかに切り取ってみせる「芸」は正しく絶品であり、他にまねのできる物ではない。
学生時代に読んだときもそうは思ったが、筆者がこれを書いた歳になって読み直してみると、その感慨は一層である。最近の小説にこういった深みを期待できないのは当然のことである。今宵、良い小説を読んだ満足感に久方ぶりに浸っている。

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紙の本原発のウソ

2015/09/30 00:48

科学者の誠実さとは何か

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この本の内容を紹介するためにはその全てを引用しなければならないと思うほどである。それは不可能なので、索引から拾い上げてみる。
「すでに原爆80発分の放射能が拡散している」「若ければ若いほど死ぬ確率が高くなる」「原発を作れば作るほど儲かる電力会社」「原発100年分の『死の灰』をため込む六カ所再処理工場」「廃炉にしても大量に残る『負の遺産』100万年の管理が必要な高レベル放射性廃棄物」「原発が生み出した『死の灰』は広島原爆の80万発分
少しでも今回の福島第1原発の事故がどのような事態であるのかを「原発村」の御用学者の非科学的な発言に疑問を持つ方。真に科学的に考察することを感じていらっしゃる方にはぜひ一読して欲しい本です。

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現実を直視する眼

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前近代的な雇用条件に置かれている原発労働者たちは、絶望的な労働環境の中で、大量の被曝をさせられながら、文字通り命を削って原発作業を強いられている。けれどもかれらがいなかったら、フクイチの現在はあり得ない。そして、五〇機にも上る原子力発電機の運転もかれらの犠牲なくしては一日たりとも運転することはできない。この紛う方なき事実を直視することなくして、原発の再稼働を語ってはいけない。そんな当たり前のことを、当たり前のことのように等閑に付しているこの社会とは何なのか。

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電子書籍スティーブ・ジョブズ(1)

2015/09/22 06:39

伝説を作った男

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マッキントッシュ・iPod・ipad ・iphoneを作った男の伝記。著者ウォルター・アイザックソンは『アインシュタイン』『キッシンジャー』を書いたアメリカの有名な伝記作家。スティーブがこの伝記の執筆を依頼した時には、既に膵臓ガンが進行していて、あるいは死を覚悟していたかも。日本語訳はかなり前に出版されていたが、翻訳の関係でちょっと読みにくかった。今回、コミックになるに当たって、『テルマエ・ロマエ』のヤマザキ・マリが画を担当している。活字と比べて随分読みやすくなっている。第1巻は大学を中退して、就職した頃まで。最後まで変人だったのだから、若い時はどれほどキテレツだったことか。

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人間が信じられなくなったらねこを愛でよう

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おそらく世界中で、一番ねこを愛し、そしてねこを一番長く、多く撮り続けている写真家岩合光昭の、ねこに対する限りない思い入れを語ったエッセイ。ミュウミュウが桜吹雪に包まれているシーンから始まる「津軽の四季」は飽きるほど見た。わけてもコトラとそのこどもたちに対する思い入れは尋常ではない。岩合さんが何を思い何を感じてファインダーをのぞいているのかが解る、心温まるエッセイである。「だけどふと、立ち止まる時、ぼくは深い郷愁と共に降り返るだろう、あの1年4ヶ月を。あのネコたちは、まぎれもなく『ふるさとのねこ』だったと。

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紙の本ねこ歩き

2015/08/23 03:40

Always go with cats. ねこと歩けば...。

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NHKBSプレミアム「世界ねこ歩き」でいまや、動物写真家ではなくねこ写真家の第一人者になった観のある、岩合さんの写真集の文庫版である。ねこちゃんたちの魅力的な姿態を求めて、世界中を旅する写真家の視線はどこまでも穏やかで優しい。もっとも、岩合さんにしてみればそれはねこちゃんたちの方だと言うことになるのだが。特に、飼いねこだった海ちゃんたちの写真が良い。

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