サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. レビュー
  3. 桜李さんのレビュー一覧

桜李さんのレビュー一覧

投稿者:桜李

32 件中 1 件~ 15 件を表示

普通のライトノベルだと思います。

11人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

正直なところ、どうしてこんなに人気があるのかわからない。

古書をモチーフにした作品としては「文学少女」の二番煎じが否めないし、ミステリーとしては弱い(というかご都合主義的)。
犯人を走って追いかけ、振り切られそうなところで知り合いが通りかかって~とか、バス停に降り立った人がもしかしたら!?と電話で判断すること、燃やすことで未練を断ち切り~とか。
実は目が・・・?なところは洞察力というより、書店員はそんな疑心暗鬼な目でお客を見てるの?など色々都合が良すぎるからか、否定的に見えてしまう。
古書に対する薀蓄も少ない。

昨年本屋大賞を受賞した謎解きと同じ安楽椅子探偵スタイル。読みやすさと、本をモチーフにしていることが決め手だろうか?・・・と否定はするものの、面白くないわけでは決して無い。
ただ、ごく普通のライトノベルだと思う。

本屋大賞候補ということで期待しすぎたのもあるかもしれない。
さっくり読むには丁度良い。表紙もきれい。
栞子さんと、大輔くんの微笑ましい関係や、古書店にまつわる日常の出来事をゆるりと楽しめる一冊。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本ジェノサイド

2012/02/20 15:32

その筆力に圧され、休みなく読ませる作品。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

難病を抱え、間もなくその生命を終えようとする息子の治療費が欲しいイエーガーに、極秘の任務の依頼が入る。それは、「人類全体に奉仕する」という暗殺依頼。
そして、薬学を学ぶ大学院生・古賀の元に届いた一通のメール。少し前に亡くなった父からの「誰にも言うな」という指示に従い、辿り着いたのは父の私設研究室だった―――

イエーガーの任務地アフリカと、古賀が創薬に奔走する日本を舞台に平行して物語は進んでいく。
そのふたつを結ぶのが「ハイズマン・レポート」
この5番目記された地球滅亡の可能性を示す項目が現実となる。

進化した人類が現れたとき、それらは人を凌駕し、人智を超える存在であり、現在の人という種族は淘汰される

この新人類をめぐってホワイトハウスが動く。イエーガーも古賀も巻き込まれ、野戦に空中戦にハイジャック・・・追手はCIAを始めとする様々な武装勢力。
彼らは新人類を守ることができるのか・・・・?


全体的にキャラクターが薄い。
単なる大学院生がある日突然、難病の創薬に取り掛かり、あっという間に韓国人の親友を作って協力する流れに、感情の動きがあまり読み取れず。
超人類のアキリとエマについても、あれだけの局面をみんなで過ごしてきたのに最後はあっさり彼女についていくの?何も感じないの?なんて思ったり。
物語が壮大すぎるので仕方ないと感じながらも、私は登場人物の気持ちをメインに追って読むタイプなので残念でした。

とはいえ、590ページというボリュームを感じさせないスピード感。
海外ドラマ「24」を小説にするとこんな感じになるんだろうなと思うほど、次から次へと展開する物語。
めくるめく展開だが、決して進行が早いわけではなく、読み進めるにつれてひとつずつ、繋がっていく。
じわりじわりと解錠されていく感覚がたまらないです。

そしてこれでもかと話を広げたにも関わらず、きちんとたたんでいく過程が気持ち良い。
だだっ広い空間にぽんっと放り込まれて、物凄くもみくちゃにされたけど最後には身綺麗な状態で自宅に帰り着いたような感覚です。

戦争の場面では人間の本性というか、鬼畜な部分が遠慮なく描かれ、生と死、戦争についても考えさせられた作品。
登場人物を見ていると、作者さんは日本人があまり好きでないのかな?という印象も受けつつ、是非他の作品にも手を伸ばしてみたいと思いました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

人の手から手へと渡った本には物語がある

4人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

古書店に持ち込まれた本に纏わる謎を解くシリーズの第二弾。
今回は、大輔の学生時代の元彼女が査定を頼みに来るお話や、栞子さんの母についてのお話など、三編。

1巻は期待しすぎて拍子抜け。2巻は普通のラノベだと思って読んで楽しみました。最初の印象って大事ですね。
ラストで古書堂を退職したはずの大輔はあっさり復帰。
仕事にもだいぶ馴染んで、古書堂内での栞子さんとのやりとりもほのぼのとしてます。

そして1巻よりも古書に対する蘊蓄が増えたことはちょっとうれしい。
ミステリー要素は更に薄め、栞子さんと大輔の初々しいラブ要素が割増な感じです。
しかも、何とも気になる終わり方!
栞子さんは母の呪縛から抜け出せるのか?ここからが本編といったラストで締めくくった2巻。

機会があれば続刊も手に取ろうと思います。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本ヒア・カムズ・ザ・サン

2012/01/28 16:46

新境地ながら少し残念

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

彼は幼い頃から、品物や場所に残された、人間の記憶が見えた。
アメリカから20年ぶりに帰国した同僚の父は、ハリウッドで映画の仕事をしていると言う。
しかし、真也の目には、全く違う景色が見えた……。

”シアター"で舞台とのコラボをして随分影響を受けたのかしら?と思う、いつもの有川作品とは違った味わい。7行のあらすじから有川さんが膨らませた1章と、上演された物語を有川風にした2章から成る。どちらもさらっと読めて、落とし所もいいがやっぱり1章の方が好きかな。1章で登場人物が頭の中で出来上がってしまうので、続けて2章を読むには切り替えが必要。2章にハマりきれないのはこれも原因かもしれない。

作中では、有川さんらしい感情のほとばしりを随所に感じます。
やっぱり有川さんの作品好きだなぁ・・・と思う傍らで、物足りなさも感じてしまいました。
特に2章のParallelで頻出する「嘘を吐く」という言い回しが何となくひっかかってしまって入り込めなかったです。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本夢はトリノをかけめぐる

2012/02/23 17:53

意外にもミステリではなくエッセイ・・・

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

しかもトリノ五輪の観戦記だったことにまず驚いた。東野さんは自身が体験を語ることを苦手としているのか、人型になったネコが語る作りになっている。

私自身はトリノ五輪をTVでひたすら見続け、フィギュアスケートも大好きでジャンプやスピードスケートのことも記憶にあったので楽しくさらっと読めました。各競技の裏話も書かれているのでなるほどな、やっぱりそうか、そうだったのか、と頷きつつ、単なる紀行記に終わらず最終章にちょこっと仕掛けがあったことには苦笑。

ウインタースポーツに対する作者個人の情熱がたいそう伝わってくる作品なので、ウインタースポーツやトリノ五輪に疎い方は楽しみ辛いと思われるが、私は楽しめました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

フィギュアスケート初心者向け

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

長年のフィギュアスケートファンな私に友人が「フィギュアスケートの漫画があるよ!」と薦めてくれたのが本書でした。
フィギュアを題材にしたものは珍しいなとワクワクしながら全11巻を読了。

優秀な兄弟たちと、優秀な子にしか目をかけない両親に育てられた吹雪は、喧嘩に明け暮れた日々を脱しフィギュアスケートの道へ走り始める。
シングル・ペアを両立し、更にはブリザードアクセルと呼ばれる5回転半のアクセルジャンプに挑む!

無理!(笑
真面目に読んでるとほんと色々突っ込みたくなります。現在のアクセルジャンプ最高峰はトリプルアクセル。
数年後にはもしかしたら試合でクワドラブルアクセルを跳ぶ選手が現れないとはいいませんが、現状では不可能。ペアとシングルを両立し、両者で成功を収めることも不可能。
無理でしょーーーっ!!と強く叫びながら結局全巻読んでしまいましたが・・・。

物語の途中に挟まれた、各種技の解説はすごく解りやすいです。競技で見ていてもジャンプの種類は見分けにくく、これを読んで試合を見ると何となく区別がつくようになるようです。(友人がだいぶ見分けられるようになってました)
ジャンプに目がいきがちですが、ステップの細かい解説もあり大変興味深かったです。

スポーツコメディだと思って読めば面白いです。現実にはありえない技を連発するあたりはキャプテン翼を思い出しました。
内容としては、吹雪がフィギュアスケートを始めた頃に絡みのあったキャラクター数人が最後まで活躍せず、尻切れな感じが残念です。
フィギュアのルールはほぼ毎年改正されているので古い情報になってしまいますが、基本的なことを楽しく理解できるシリーズだと思いました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

懐かしさから手にとって・・・

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

るろうに剣心は、私が中学生になる頃アニメ放送されていた作品。
当時その時間にテレビのチャンネル権がなく、同級生の間で流行っていたのを横目に眺めていました。
そして今さらながらに読んでみた完全版全23巻。

"るろうに"とは"流浪人"の意。
明治時代初期を舞台に、流浪人の緋村剣心が人斬り時代の過去を背負い、仲間に出会い、解きほぐされていく物語でした。

剣心が、薫や弥彦、左之助など主要人物たちに出会い、本格的に物語が動き始めるまでは今ひとつ。
あれだけ人気があったのにこんなもん?という印象でしたが、最初の山場である志々雄真編が走りだすと私の読む速度も猛スピードで走り出しました。

この作品のいいところは、敵には敵の主張があって。剣心たちが正しいとか、正義だとか、そういうのではなく、それぞれが思う方向に向かった結果戦わざるを得なかった。という展開。
敵であっても好感が持てるキャラクターがたくさんです。

志々雄真編の後には、雪代縁編。
緋村剣心が緋村抜刀斎であった頃の業を背負い、懊悩し、答えを見つける。
仲間たちともどこか距離をおいていた剣心が、心から仲間を想う。過去に決着をつけ、新たな道を進み始める――

きれいに収まった結末は、読了感が清々しい。
その後を描いた番外編も収録されていて、成長したみんなの姿に感動しました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本ブレイブ・ストーリー 上

2012/04/16 16:36

王道の冒険ファンタジー

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

東京に住む小学校五年生のワタル。
幸せだったはずの毎日が、ある日突然暗闇に染まった。
父親の浮気、狂っていく母親、父の子を身篭った愛人。
壊れていく日常の中、ワタルは"幻界"(ヴィジョン)への入り口を見つける。
"幻界"
そこは現世に生きる人々が作り上げた幻の世界。
運命の塔にたどり着けば、"幻界"を創った女神が一つだけ願いを叶えてくれるという。
ワタルは自らの不運な運命を変えるために"幻界"へと旅立った!

"幻界"には、もう一人旅人が来ていた。
同級生のミツルもまた、運命を変えようと旅をしていた。
高度な魔術を操り、邪魔者はなぎ払い、犠牲者を数多く出しながら強引に前進していく。
ミツルが進んだ後には残骸が残る。
仲間に助けられながら必死に旅を続けるワタルは、ミツルの後を追うように塔に辿りつく。

塔で闘う最後の敵は!?ミツルは運命を変えられるのか。ワタルの願いは叶うのか。
二人は最後に、何を願うのか。


少年が異世界を冒険するという、まぁ、よくあるファンタジー。
ただ、作者が"クロスファイア"や"模倣犯"で有名な宮部みゆき氏ということで、今回手に取ってみました。

全体的に読みやすいです。 普段本を読まない人も読める感じ。 ティーンズ向けだと思いますが、ワタルの家庭内の不和で描かれる ヒトの嫌らしい部分、醜い部分、理不尽さなどがかなりリアルに描かれているあたりは大人向けかな。
ページ数の約1/3を費やして描かれるこの修羅場な導入部分だけでぐいぐいっと引きこまれます。

臆病でゲームが大好きな現代っ子ワタルが、才色兼備なミツルに真っ向から挑んでいく。圧倒的な差を見せつけられてもめげない。仲間と助け合い、自分の信じる道を走り抜く姿・・・王道路線で描かれたこの姿はいくつになっても忘れてはいけない心意気だと思いました。

世界を創り変えることはできない。けれどこれからの未来を創ることはできる。
乗り越えていくのは自分だから。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本マスカレード・ホテル

2012/02/01 10:27

鮮やか!

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

高級ホテル"ホテルコルテシア東京"で連続予告殺人事件が起きた。
そこに、この事件を追いかけていた刑事・新田浩介が同ホテルの従業員に扮し、フロントスタッフの女性・山岸尚美とともに容疑者も、ターゲットも不明の連続殺人事件の謎を探る。

全体的に展開は遅いです。解決編までが長いです。
が、今回は刑事がホテルマンに扮するということで・・・ホテルサービスのあり方や、クレーマーの処理方法など興味深く読め、刑事がホテルマンとして、人として成長していく様も楽しいです。

久しぶりの本格ミステリ。張っていた伏線をきれいに回収して納得の結末へ導きます。
突っ込みどころはいくつかあるし、「白夜行」「容疑者Xの献身」などと比べれば物足りなさは否めませんが、相変わらずの東野節でぐいぐいと読ませてくれます。

そしてこれもまた・・・映像化を視野に入れてるのかな?
最近の作品は映像化前提で、人物関係や背景が単純明快なものが多いので東野作品読者は大作を望んでる気がします。
その単純明快な最近の作品の中では土台も謎解きもしっかりしていて読み応えのある作品だと思いました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本彼氏彼女の事情 第10巻

2012/01/30 10:08

大団円のエンディング

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

学生時代に有馬編の最初の頃まで読み、続きを気にしつつも離れてしまってたカレカノ。
文庫化したら買うぞ!と心待ちにし、やっと前巻購入できました。

こうやって完結したんだね。
すべてのキャラクターにきちんと未来を用意したラストは満足のいくものでした。
少女漫画でよくあるパターンの恋愛物で終わらず、誰しも持つ心の闇をうまくうまく絡めてあり、笑いあり涙あり、愛に気付かされたシリーズ。名作だと思います。
オトナになって読み返したら、悪役だと思ってた雪乃や有馬の周りにいる大人たちの気持ちもわかるようになり、更に感じることが多かったです。

懐かしさから大人買いに走っても損はない10冊!

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本歪笑小説

2012/01/28 11:28

読み進めるほどにニヤリとできる。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

もうネタ切れ。業界の皆様、ご安心ください。もう書きません。by東野圭吾
・・・・・と作者自身が書いてしまうような作家業の裏の物語。どこまで本当なのかはわからないが、編集者の本音と書き手の都合、読み手の気持ちが詰まった12編。

・とにかく作家の機嫌を取って原稿をもぎ取る辣腕編集長
・舞い込んだドラマ化の話に舞い上がった作者は・・・思わぬオチにため息な結末
・新任の編集者は若い女性。その恋心の行方は?
・新人賞を取ったら今の職業を辞めても食べていけるのか?
・職場見学でやってきた中学生たちから赤字覚悟の小説誌についてえげつない質問を投げかけられた編集者の対応は・・・
・作家のもとへ打合せに訪れた編集者の前に立ちはだかったのはプロデューサー気取りの恋人だった!
・「直本賞」につながるような文学賞「天川井太郎賞」を新設し、推している作家の受賞を期待するが、初代大賞に輝いたのは・・・最後はほろりときます
・本格ミステリを依頼していた作家が急に書けなくなり、代役をつとめることになった熱海が持っていたのは『ミステリ小説の書き方』という本で・・・
・ヒット作も出ず新作も書かない過去の人となった作家が、ある日"引退会見を開きたい"と言い始める
・売れそうにないハードボイルドの新作を売り込むために編集者は、作家にアフロヘヤーとヒョウ柄のパンツでインタビューに臨ませ、インパクトで勝負をかけるが・・・?
・期待の小説家が娘との結婚を願い出てきた。作家とはどういう職業なのか、一生食べていけるのか。この作家は売れてるのか?疑問に思った父親は書店で購入したその小説家の作品を読み始める。


小説誌の仕組みだったり、"作家業"がどのように成り立っているのかとか、とても興味深く読みました。
12編の後は、是非巻末の広告ページまで見てニヤリとして欲しいです。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本緑の我が家

2012/01/03 13:07

小野氏ホラーの根幹が味わえる作品。

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

高校時代に読んで、まだ入手可能だと知った最近購入し、再読。
高校進学を機に越してきたアパートには、見てはいけないものが住んでいた。投函された人形の首、差出人のない手紙、路上に絵を描き続ける男の子。その絵が指し示した部屋の住人は次々に死んでいく・・・。

ホラーだが何とも物悲しい。
ティーンズ文庫なので大人は敬遠しがちだが、世代を問わず読んでもらいたい作品だと思う。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本6時間後に君は死ぬ

2012/03/24 14:00

運命に抗い、自ら未来の門を叩き続ける人たちの物語。

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

表題作を含めて5編とエピローグから成る短篇集。
ジェノサイドで高野和明氏の作品に興味を持ち、手にとってみました。
5編に共通するのは、未来のビジョンが見えるという山葉圭史が登場すること。
「6時間後に君は死ぬ」と「3時間後に僕は死ぬ」の2編はテレビドラマ用に描かれたということで、わかりやすく、エンタメ性の高い内容だと感じました。

・6時間後に君は死ぬ
誕生日を6時間後に控えた美緒は街で見知らぬ男から声をかけられた。「君は25歳の誕生日を迎えた瞬間に刺されて死ぬ」と。
不審に思いつつも美緒は、予言者・圭史と共に未来を変えようと行動するが、事態は予言通りに進んでいく――

・時の魔法使い
プロットライターとして脚本家の夢を追いかける未来(ミク)は、安定しない生活と見えない未来に苦しむ。ある日、幼い頃遊んだ防空壕へと足を運び、子供の頃の自分と出会う。
幼い頃"神隠し"に遭ったことのある未来。あの時、彼女の身には何が起こっていたのだろうか。

・恋をしてはいけない日
飽き性で、次々と恋人を変える美亜に、占い師・山葉圭史は「今度の水曜日だけは人を好きになってはいけない」と言う。
そんな水曜日、美亜は交通事故を目撃し気絶しそうになる。そこを通りがかった男性に助けられ、彼に好意を持つが・・・

・ドールハウスのダンサー
閉館間際のドールハウス・ミュージアム。
叔母が道楽で創った施設に展示されたダンサーの人形と、同じ運命をたどる女性がいた。

・3時間後に僕は死ぬ
パーティー会場で働く美緒は、圭史と再会する。そして圭史は、3時間後爆発によって死ぬビジョンを視る。
2人は、運命を変えようと必死に動くが――


"運命"は人の手で変えられるのか?
運命とは、未来を変えようと行動したとしても、それすら織り込み済みのため、訪れる未来は変わらない。と思うのですが、自分が行動することで、周囲の人が予定外の動きをし、運命の矛先がズレました。という結末に少し疑問を覚えます。
とはいえ、どれもサクサク読めます。ジェノサイドの重厚感、刺々しさは全くない、ハートフルな短篇集。

特に、ドールハウスのダンサーが素敵!
ダンサーを目指してひたむきに努力する女性の話と、閉館間際のドールミュージアムの話が同時進行し、繋がっていく。
半分くらいまで全く展開が読めなかったし、結末も良くて、思わず頬がゆるみました。
時の魔法使いとドールハウスは、優しくて切ない余韻を残してくれたお話でした。

どの話も、運命に抗い、自ら未来の門を叩き続ける人たちの物語。
一生懸命さ、ひたむきさ・・・メッセージ性に溢れる一冊だと思いました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本ちびギャラ ギャラリー

2012/03/23 14:06

ちびギャラ勢ぞろい!

3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ここ数年で流行っているムック本、初めて買いました。
もちろん付属のバッグ目当てです。ボンのチャームも可愛いし!
と思っていたのだけど、意外に冊子がよくてびっくり。ちびギャラミニ本シリーズに収録されているすべてが掲載されてました。
ミニ本は全巻欲しいと思いつつも揃えられてなかったので嬉しかったです。
おまけ漫画も楽しく読めました。

バッグは全体的に小ぶりで、マチも小さいし、正直なところ使いにくい感じです。
でも可愛いからいいや。(笑

この本が届いた頃、たまたま遊びに来ていた幼稚園児がふたり。
書いてる内容はわからないけれど、絵柄が可愛いからかとても食いつきが良かったです。
うさぎ~!ぱんだ~~!!と大喜びで、一緒に楽しみました。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本風が強く吹いている

2012/03/12 16:27

竹青荘の10人が箱根駅伝に挑むど真ん中青春小説

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ある日突然、「ここの住人全員で箱根駅伝を目指す」と宣言したハイジ。
竹青荘の住人とは・・・

漫画が命。陸上なんてやったことないし、そもそも運動が苦手な、王子
アフリカから来た陸上競技とは無縁の国費留学生、ムサ
無邪気な双子、ジョータ・ジョージ 「駅伝出たらモテる?」
僻地出身で山歩きには慣れている、事務能力に優れた、神童
司法試験現役合格、ユキ
2浪2留で部屋はいつもタバコ臭い、ニコチャン
クイズ大好きな、キング 「就職安泰ってホントだな?」
純粋に、走ることを愛し、どこまでも走り続ける一匹狼、走(カケル)
皆を駅伝に巻き込んだ張本人、指導者兼監督の、ハイジ

紆余曲折ありながらも、ハイジの指導の下、10人は箱根駅伝目指して練習を始める。


10人の個性がすごいです。これをうまくうまくまとめていくハイジがすごい。
そして、箱根駅伝のことがとてもよくわかります。舞台裏が。
予選会の様子や、本戦に出場するための条件、各チームのタイムなど、各キャラのテンポ良い会話を楽しみつつ、とても興味深く読める前半。

そして箱根駅伝本番を描く後半。
一人ひとりが色んな想いを抱えて、走る中でそれを昇華させていく。自分を思い、家族を思い、仲間を思って走る描写が際立って美しいと感じます。

ぽっと出の新設チームが、箱根駅伝本戦に出て、良い戦いをする・・・ありえないとは言えないけれど、あまり現実味のない話。だからこそ、こういうこともあっていいなと、思うんです。
走ることってどういうこと?という問に、10人それぞれが答えを出していく青春小説。
来年は箱根駅伝、見てみようと思う。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

32 件中 1 件~ 15 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。