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雨のおとさんのレビュー一覧

投稿者:雨のおと

4 件中 1 件~ 4 件を表示

紙の本

紙の本いるのいないの

2012/04/17 15:16

正統な怪談えほん

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

人気作家たちがおくる怪談えほんの中の一冊である。
古い茅葺屋根の家でおばあさんと一緒に暮らすことになった少年のエピソードだ。
天井には、はりという太い木がわたっていて高く暗い。
上が気になり何度もみる少年。
そして少年はそこにおこったおとこがいることに気づく。
こわい。
けれど上をみてしまう。

絵と文ですすむこの怪談は視覚的にもこわさをあおる。
少年をすこし離れたところから描いた絵は古い家の奥行きがわかり、その家の暗さ、こわさがみえてくる。
しかし少年の、おとこをみたこわい気持ちは文でしかみえてこなく、読みながら推し測るしかない。
ここはあえて文で表現し、読み手にゆだねているのかもしれない。
いるのだろうか、いないのだろうか、
上から少年を見下ろしたり、下から少年を見上げたり、ゆっくりゆっくりとこのえほんの中に入りこんでいく。
そして少年のこわい気持ちにたどりつくのだ。
最後の最後にみえてきたこのこわさ。
絵と文で見事に怪談えほんとして完成された絵本である。

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紙の本

紙の本陽だまりの彼女

2012/04/17 04:25

恋愛もの、世にも奇妙もの、いやいやこれはファンタジーもの

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

まさかまさかのびっくりストーリー。
そう感じた一冊である。

これは、僕、奥田浩介が仕事で中学の同級生渡来真緒と再会するところからはじまる。
いじめられっこの真緒、そのいじめを助けた浩介は中学の時いつも一緒だった。
勉強のできなかった真緒の仕事の有能ぶりに驚きつつ、けれどマイペースでかわらない真緒に心ひかれる浩介。
2人の関係は恋人になり夫婦になりと順調に進んでいく。
真緒の親から反対されてもなんのその、二人の新婚生活は明るく楽しく過ごす毎日。
しかし親の反対の理由で一つの謎が浮かび上がる。
それは浩介が知らない彼女の過去。
読みながら誘拐事件、監禁事件、幼児虐待という犯罪が勝手に脳裏にかすむ。
そして、はじめての大きなけんか。
仲直りするも、けんかの原因となった理解できない彼女の行動は二つ目の謎だ。
甘い生活からだんだんと浩介の不安の気持ちが伝わり、読み手も一緒に不安になっていく。
推測できそうでできないこの謎は見事に作者の罠にはまり、思いもしなかった結末へ。
二つの謎だけでなく、彼女の今までの行いも解明され、最後は納得の嵐。
最後の展開は整合性がとれてないように感じるが、これはファンタジーなのだと思ったら許容できる。
なんとも不思議な物語。

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紙の本

紙の本くちびるに歌を

2012/04/10 00:49

合唱部の青春物語ー手紙を通してー

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

これは2012年本屋大賞ノミネート作と知って読み始めた物語だ。
そして読む前に著者が別名義で著名な作家と知り調べたところ、自分も作者のファンだったと遅まきながら知った本でもある。
この物語は五島列島に住む合唱部の仲村ナズナ、桑原サトルの二人の視点で進んでいく。
二人それぞれの家族に対する悩み、異性への思いなどが描かれ、二人や他の登場人物を浮き上がらせていく。

特に桑原サトル。サトルはクラスでも目立たず、友達もいないぼっち(ひとりぼっち状態)。
だがひょんなことから合唱部に入ることで、サトルの生活は変わっていくのだ。
いつもぼっちだったのが、男子部員と一緒に行動したり、片思いの女子部員と話したりするなど、サトルに表情が見えてくるのだ。
ぼっちの細かい描写は作者が実際に体験していたのでは?と思ったほど。

そして二人の視点から、時おり未来への自分にあてた手紙がでてくる。
これは合唱部で歌う課題曲「手紙~拝啓十五の君へ~」を理解するために出された課題だ。
これには合唱部員それぞれの今の心境をつづる彼らの本心がみえてくる。
特にサトルの手紙には、彼の強い本心が見え、驚き、なんて悲しいのだろうと涙したほど。

もちろん合唱の素晴らしさも教えてくれる。
一斉に歌う合唱はもちろん、一人が口ずさむともう一人が口ずさむという歌声を重ねて歌う場面は楽しく心が温かくなった。

合唱を通して合唱部員が成長していく物語。
そして合唱と手紙、この二つの言葉がきれいにはもった美しい物語。
そう感じた一冊だ。

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紙の本

楽譜のように読める絵本

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

ピアノを習ったことがある人は自分と重なる部分があるかしれない。
かく言う私もその一人。
小さい頃は好きでピアノを弾いていたのに、段々とピアノから離れていった。
この登場人物の女の子も最初は毎日ピアノを弾いていたのに、成長するにつれ弾かなくなっていく。
女の子が名前をつけたピアノのメロディは感情をもち、女の子と一緒に過ごせなくなった寂しさ、悲しさが綴られている。
だんだんと弾かなくなっていた女の子の気持ちもわかるし、メロディの寂しい気持ちも読んでいて悲しくなる。
物語として先が読める展開だが、音楽をやったことのある人はあるしかけに気づくだろう。
ピアノの話ならではの趣向の効いたしかけ。
物語として楽しむだけでなく、楽譜のようにも読めるのだ。

家にあるピアノは、寂しい気持ちで弾いてくれるのを待っているかもしれない。
この本を読んで久しぶりに弾いてみよう。
そう思った絵本である。

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