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イベント

開催日時:2014年08月31日(日) ~ 2015年03月31日(火)

柴田元幸書店「自著・訳書」

柴田元幸書店「自著・訳書」


 店長からのメッセージ


当店にお越しくださり、誠にありがとうございます。
店主がこれまで読んできた何千冊何万冊から厳選した品揃え……と言いたいところなのですが、
実は五百冊選ぶにも四苦八苦十六苦、気分としては、生まれてからこれまで読んだ本を全部並べたみたいな感じです。
でもどの本も、こんな本が書けたら/訳せたら/作れたらいいなあと思った本ばかりです。
 お時間の許すかぎり、ゆっくりご覧になってください。

― 柴田元幸 ―

 柴田元幸書店の棚


選書リストに掲載されている書籍には、現在入手不可のものが含まれている場合がございます。
予めご了承くださいますようお願い致します。













 店長のコメント






幻影の書

ポール・オースター
柴田 元幸
本体価格:705円+税



東京の某書店のイベントで、「オースターの訳書でまず一冊読むとしたら?」と訊かれて
だいぶ迷いましたが、長年読んできたなかで、この一冊が一番
「おっ、いままでと違うところに飛んだな」という思いを強く持ったのでこれを挙げました。
でも相手が十代だったら『ムーン・パレス』を勧めたと思う。












オズの魔法使い

ライマン・フランク・ボーム
柴田 元幸
本体価格:476円+税



子供のころは赤塚不二夫の漫画を読むくらいで、児童文学とかほとんど読みませんでした。
これと『くまのプーさん』はできれば子供のころに出会っておきたかった。
でも、訳せてよかったです――吉野朔実さんに絵までつけてもらって。












私たちがやったこと

レベッカ・ブラウン
柴田 元幸
本体価格:1,600円+税



レベッカ・ブラウンは、エイズ患者や自分の母親をケアした経験に基づく体験談的書物と、
幻想レズビアン小説ともいうべきややとんがった小説とがあり、日本では前者が好評で、
それももちろん素晴らしいですが、本領はやっぱり後者だと思います。
そのなかで一冊選ぶとしたら、まずはこれか。












ロード・ジム

ジョゼフ・コンラッド
柴田 元幸
本体価格:2,600円+税



この翻訳は苦労しました。
コンラッドはものすごく倫理的な作家であると同時に、
ものすごく笑える作家でもあると僕は思うのですが(あんまり賛成してもらえないけど)、
この「笑える」の部分をどこまで訳せたか……
チャンスがあったらこの人もっと訳したい。













シカゴ育ち

スチュアート・ダイベック
柴田 元幸
本体価格:2,600円+税



ダイベックという人は、何かを肯定するために何かを否定する必要を感じない人です。
そして素晴らしい短篇作家です。短篇といってもいろんな人生が交叉します。
短篇集といってもいろんな短篇が交叉します。
『僕はマゼランと旅した』(白水社)はもっとすごいですが、
まずはやや敷居の低い、かつ安価なこっちから。













遁走状態

ブライアン・エヴンソン
柴田 元幸
本体価格:2,100円+税



いまのアメリカで一番「乗って」いて、次々に見事な作品を書いている作家だと思います。
壊れた人の視点から世界を描くと本当に上手くて、実はそれが、自分を普通だと思っている
我々の視点をより切実にしたものであることがひしひしと伝わってきます。








輝ける鼻のどんぐ

エドワード・リア
エドワード・ゴーリー
柴田 元幸
本体価格:1,000円+税



ゴーリーの絵本はすでに15冊くらい訳しましたが、
そのなかで一番気に入っていて、なぜか一番売れていないのがこの本。
二人のエドワードの持ち味が、実にいい感じにマッチしていて、傑作だと思うんですが。
エドワード同士のもうひとつの共作『ジャンブリーズ』もほとんど同じくらい好き。












ジーザス・サン

デニス・ジョンソン
柴田 元幸
本体価格:1,800円+税



エヴンソンと同じく「壊れた人」たちを描いた短篇集ですが、
こっちの方がちょっとドラッグカルチャーっぽい雰囲気があって、また違う凄みがあります。
全然関係ないですが、この人は子供のころ日本に住んでいて、
いまではもう日本語もすっかり忘れてしまっているけど、京都で会ったときいきなり
「雨あめふれふれ かあさんが……」と歌い出したときは本当に驚きました。













失踪者たちの画家

ポール・ラファージ
柴田 元幸
本体価格:2,100円+税



ああこういうメチャクチャな話はほんとに好きだなあ、と何度も思いながら訳しました。
結局立ち消えになったのですが、新聞で連載するという案も一時はあって、
そうしたら「毎日一奇譚」という感じでなかなか面白かったろうと思います。












マジック・フォー・
ビギナーズ

ケリー・リンク
柴田 元幸
本体価格:1,000円+税



SF、ファンタジー、ホラー、純文学といったジャンルの壁を越えるようになったことが、
今日の日本やアメリカの文学の活気を生んだひとつの原因だと思いますが、
そういう流れを誰よりも楽しく体現しているのがこのケリー・リンクだと思います。












雪男たちの国

ノーマン・ロック
柴田 元幸
本体価格:1,400円+税



この一冊を出したのは、けっこう誇りです。
作者・作品・出版社の知名度から見て、僕が訳さなかったら、
まず日本では出版されていないと思うから。
南極を舞台にした幻想小説ですが、ちょっと(だいぶ?)病んだような感じが
たまらなくいいです。













火を熾す

ジャック・ロンドン
柴田 元幸
本体価格:2,100円+税



現代小説もいいけど、やっぱこういう昔の、しっかりストーリーがあって、
ぐいぐい出来事で引っぱっていく小説もいいよなあ、と思わせてくれる一人が
ジャック・ロンドン。
「火は熾す」は、メルヴィル「バートルビー」、フラナリー・オコナー
「善人はなかなかいない」と並んでアメリカ短篇小説ベスト3のひとつだと思います。













喋る馬

バーナード・マラマッド
柴田 元幸
本体価格:2,100円+税



「マラマッドみたいな小説が書けたらどんなにいいだろう」と帯に書きました。
もちろんこれってほかの作家でも思うことなんですが、
マラマッドの場合には、なぜかそういう思いが強い。
一見、誰にでも書けるようなシンプルさがあるからでしょうか。












三つの小さな王国

スティーヴン・ミルハウザー
柴田 元幸
本体価格:980円+税



ミルハウザーも偏愛する作家なので、一冊選ぶのは大いに迷いますが、
中篇小説のすぐれた書き手、という貴重な存在であることがよくわかる一冊ということで
これにしました。
でも、ミルハウザーなら、ほかのどれでも。












甘美なる来世へ

T.R.ピアソン
柴田 元幸
本体価格:2,800円+税



初めてピアソンに会いに行ったとき、小説みたいに
長いセンテンスを喋る人だったらどうしよう、とちょっと心配しましたが、杞憂でした。
あ、長いといっても全然難解じゃありません。
むしろ、長ければ長いほど笑いにつながっていく、そういう長さです。












囚人のジレンマ

リチャード・パワーズ
柴田 元幸
前山 佳朱彦
本体価格:3,200円+税



ストーリーで楽しませながら思考を深めてくれる、というのがパワーズの小説の効用ですが、
ストーリーの面白さ、それと現実の歴史からのずらし方の巧みさということでいうと、
この第二作『囚人のジレンマ』と、第一作の『舞踏会へ向かう三人の農夫』は
その後の一連の見事な作品とはまた違う味わいがあるんじゃないか。
『われらが歌う時』などもすごいですが。













メイスン&ディクスン 上・下

トマス・ピンチョン
柴田 元幸
本体価格:各3,600円+税



いままで訳したなかで最長、もっとも難解ですが、むろん質としてもワン・オブ・ザ・ベスト。
最初はなかなかトーンが定まらなくて不安だったけど、
高校の友だちと飲んでいてそいつが自分のことを「わし」と呼ぶのを聞いて、
あっこれがディクスンの声じゃん、と思ってからだいぶ進むようになりました。












父の遺産

フィリップ・ロス
柴田 元幸
本体価格:714円+税



自分の訳したなかで「泣ける本」を一冊選べといわれたら、たぶんこれ。
80代の父親の面倒を、50代の息子が見る。
ややこしい仕組みの小説を書く(もちろんそれが強みであるわけだけど)ロスにしては
おそろしくストレートな自伝的作品。
8月には同じフィリップ・ロスが少年になって出てくる『プロット・アゲンスト・アメリカ』も出ます。













ケンブリッジ・サーカス

柴田 元幸
本体価格:1,800円+税



自著のなかで、身辺雑記エッセイ・妄想ばなし系から一冊選ばせてもらいました。
オレゴンに住んでいる兄の話が好評です。












つまみぐい文学食堂

柴田 元幸
本体価格:514円+税



同じく自著のなかで、本をめぐる本のなかから一冊。
文学のなかに出てくる食べ物の話について三題ばなし的に書く、という本です。
大学も辞めたことだし、また勉強して、これや『アメリカ文学のレッスン』(講談社現代新書)
みたいな本をまた書きたいです。












翻訳教室

柴田 元幸
本体価格:1,000円+税



これは逆に、大学にいたからこそ出せた本。
翻訳の授業は東大で20年くらいやったけど、たまたまこの年の学生たちは最高でした。












どこにもない国

柴田 元幸
エリック・マコーマック
本体価格:2,200円+税



アンソロジーは何冊か作りましたが、そのなかでしいて一冊を選ぶとすれば、
「幻想」という偏愛テーマで選んだこれか。
個人訳アンソロジーということで、他人の訳がすでにあるエリック・マコーマック、
ジョイス・キャロル・オーツの傑作を訳せたのも嬉しかった。












コーネルの箱

チャールズ・シミック
柴田 元幸
本体価格:2,800円+税



詩人シミックが好きで、箱の芸術家ジョゼフ・コーネルが好きなので、この本も当然大好きで、
「小説でもないしエッセイでもないし、売りにくいですから……」と
いろんな編集者に言われたのですが、文藝春秋に拾ってもらったら、
けっこう地道なロングセラーになりました。嬉しい。












トム・ソーヤーの冒険

マーク・トウェイン
柴田 元幸
本体価格:590円+税



訳すまでは、『トム・ソーヤーの冒険』は不朽の名作
『ハックルベリー・フィンの冒険』への助走みたいなものだから、
くらいにしか思っていなかったのですが、
訳してみたら、トムがハックに憧れるのと同じようにこの本自体が
『ハックルベリー・フィンの冒険』という本に憧れているかのような切なさがあって、
これはこれで独自のよさがあるなあと思いました。














一人の男が飛行機から
飛び降りる

バリー・ユアグロー
柴田 元幸
本体価格:710円+税



この人もT・R・ピアソンと同じで、初めて会うとき、
小説みたいに奇妙奇天烈なことばかり言う人だったらどうしよう、
とやや心配しましたが、会ったら普通に(すごく)いい人でやや拍子抜けするくらいでした。
先日、円城塔さんがバリーのファンだと知り、いつかこの二人の対談を実現させたいです。









2014/08/31 掲載

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