コラム
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ) 2017年6月号
今月の特集は
『家族という聖域』
『Music×Books Crossroads』
丸善ジュンク堂のPR誌 書標(ほんのしるべ)。今月の特集ページで紹介された書籍を一部ご紹介致します。
気になった書籍はネットストアでご注文も可能です。
(※品切れ・絶版の書籍が掲載されている場合もございます。)
すべての内容を、WEB上でお読み頂けます。
今月の特集(一部抜粋)
音楽は古代より人類の歴史とともにある。音や声そのものではなく、それらを使って表現をするという行為、またそれを楽しみ共有するという行為は、人類が創出した豊かな感覚であり技法であり文化である。たとえ熱心な音楽家でなくても、誰でも好きな音楽があり、時々メロディーを口ずさみ、音楽プレイヤーを持ち、街を歩けば、あるいはテレビやインターネットを繋げば毎日のように意図せずとも音楽は聞こえてくる。音楽は日常に溶け込んでいる。
今日ではジャンルの細分化、インターネット普及による楽曲アクセスの簡便化が進み、それに伴う趣味趣向の多様化により、楽しみの可能性が拡がるとともに経済的成立の困難さが生じている。
しかし、いつの時代も音楽そのものの本質的な魅力は失われることはない。それは長い歴史の中で蓄積されたものであり、同時に、音楽がもたらす快楽は非常に個人的なもので、それはその個人にとって普遍的なものだからだ。
さて、書店において「音楽書」と言われる音楽に関する本のジャンルは店頭スペースの割合こそ少ないけれども、音楽については高度な研究がなされており、活発な出版活動が行われている。クラシック音楽からワールドミュージック、現代ポピュラー音楽まで、歴史、理論、評論、技法、ディスクガイド、音楽家の言表、楽譜など多種多様である。
丸善丸の内本店では、そんな音楽書をもっと普及させたいという思いでブックフェアをスタートし、四回目を迎えた。今回はMusic × Books Crossroadsと題し、このフェアが音楽と本が出会う交差点となり、新たな音楽の世界を形作る一助となるようにとの意味を込めた。音楽書を出版している十六社の協力により、おおよそ一二〇タイトルの良質な音楽書をセレクトしている。その中から各社一冊ずつ選りすぐりの本をご紹介したい。
壁画洞窟の音 旧石器時代・音楽の源流をゆく 新発見の旅
土取 利行(著)
青土社
2,376円(税込)
【内容紹介】
南仏洞窟での貴重な演奏体験から、著者の故郷・四国のサヌカイトの謎解きまで、最新の音響考古学や認知考古学の知見を踏まえ、古代音楽の豊穣な世界を甦らせる探究の成果。《ニーベルングの指環》教養講座 読む・聴く・観る!リング・ワールドへの扉(いりぐちアルテス)
山崎 太郎(編)
アルテスパブリッシング
2,160円(税込)
国家と音楽家
中川 右介(著)
七つ森書館
3,024円(税込)
【内容紹介】
ヒトラーに翻弄されたフルトヴェングラーとカラヤン、ムッソリーニに抵抗したトスカニーニ…。20世紀という戦争と革命の時代、音楽家たちが国家とどう対峙したかを描く。『週刊金曜日』連載に加筆し書籍化。斎藤秀雄講義録
斎藤 秀雄(著),小沢 征爾(ほか編)
白水社
3,456円(税込)
【内容紹介】
1972年から74年にわたる、桐朋学園大学音楽学部附属子供のための音楽教室広島分室における講義の記録。音楽を愛し演奏するすべての人々に贈る、たぐいまれな教育者・斎藤秀雄の珠玉の言葉。オーケストラの読みかた スコア・リーディング入門 改訂版
池辺晋一郎(著)
学研プラス
1,728円(税込)
【内容紹介】
聴いてるだけじゃ、音楽はつまらない。スコア=楽譜を見るだけで、聴くよろこびが倍増する! スコアの見方、楽器の特徴、オーケストラの編成などについて楽しく解説する。ポイントを確認しながらリーディングできるCD付き。2017/06/05 掲載