サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

  1. hontoトップ
  2. 店舗情報
  3. 店舗ニュース一覧
  4. ジュンク堂書店 難波店
  5. 店長 本気の一押し!ー先哲との、敬意に満ちた魅力的な対決 グレアム・ハーマン『四方対象』

フェア ジュンク堂書店  難波店

店長 本気の一押し!ー先哲との、敬意に満ちた魅力的な対決 グレアム・ハーマン『四方対象』

『四方対象 オブジェクト指向存在論入門』
G・ハーマン著 人文書院 二四〇〇円
メイヤスーら「新実在論」者たちの議論には、カント以降の「人間中心主義」からの脱却を急ぐあまり、現象学をはじめとする近現代哲学の多様な知の遺産を「相関主義」の一言で切り捨てる傾向があり、それがぼくにはいささか早急で乱暴に感じられていた。

ハーマンの「オブジェクト志向存在論」も彼らの系譜に連なるととらえられることが多いが、本書を読むと、彼はむしろ、現象学の内破的な乗り越えを企図していることが分かる。フッサールが師ブレンターノの「志向性」概念の刷新を受けて現象的領野の内に「対象」を見出したことを評価し、そして彼を継いだハイデガーの道具分析を援用して「実在」を掬い(救い)上げていくのだ。本書のタイトル『四方対象』も、ハイデガーの「四方界」の批判的継承である。
その結果、「オブジェクト思考存在論」は、現代の多くの実在論者が与しがちな科学的自然主義の対極に立つ。
“人間の意識は宇宙を超越し、科学という中立的な虚空からそれを観察するのではなく、実在の中間層をいつまでも掘り進んでいく”。その豊穣な中間層こそ、「対象(オブジェクト)」なのである。

ハーマンは、ニーチェの言葉、“弟子のままでいるなら、師に報いたことにはならない”を引き、「先人に払うべき最高の敬意」は「彼らを何か別のものの先駆者へと変化させること」だと言う。
そんなハーマンの、先哲との緊張感に満ちた魅惑的な対決を、本書で読者は堪能できるのである。
(『書標』2017年11月号) 

2017/12/05 掲載

関連する本